« GPSを使っても遭難? | トップページ | ドラゴン宇宙船が地球に帰還 »

2012年5月31日 (木)

うんざりする憲法論争

2010年のリムパック(環太平洋合同演習)に参加した海上自衛隊の艦船が、各国の艦船と共に標的となった米海軍の退役した強襲揚陸艦を砲撃したことが、集団的自衛権に当たるのではないかと一部で指摘されましたが正直またかと言う思いです。現在、憲法解釈上は集団的自衛権は認められないと言うのが政府の見解ですが、これはおかしいと思います。

集団的自衛権とは自国以外の国が他国の攻撃を受けた時に、攻撃の相手国を攻撃することですが、国連憲章51条で固有の権利として認められ、NATOや国連の多国籍軍はこの考え方に基ずいています。2度の世界大戦の結果、軍事同盟によって戦争に巻き込まれる可能性があるとの考え方がありましたが、朝鮮戦争やボスニア紛争など武力紛争が発生した場合、多くは他国の援助を仰がなければ国の独立や主権を維持することが困難です。

我が国では60年以上前に作られた憲法が、ただの一度も改正されていませんが、その間の社会情勢や国民の意識の変化を全く無視した状態は異常でしかありません。民主主義国家である以上、民意の集大成である憲法も民意を反映すべきです。米国では修正が幾度となく行われていますが、こちらが本来あるべき姿です。
リムパックはただの演習に過ぎませんから、集団的自衛権の行使でないことは明白ですが、国の安全保障に関する事柄でも世界常識とかけ離れた世界で未だに神学論争とも言える憲法論争を続ける我が国は、正にガラパゴスそのものではないでしょうか。

|

« GPSを使っても遭難? | トップページ | ドラゴン宇宙船が地球に帰還 »

コメント

衆院憲法審査会が2回目の審査会を行い、与野党が9条についての意見を表明しましたが、従来の主張を繰り返すだけで、真面目に安全保障に取り組む姿勢は見られませんでした。
自分達の国は自分で守ると言ったごく当たり前の事が出来ない国が他国から信頼を得られる筈もありませんし、何より国民の保護が果たせません。もっともっと前向きで踏み込んだ議論が必要です。

投稿: 雨辰 | 2012年6月 1日 (金) 06時23分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: うんざりする憲法論争:

« GPSを使っても遭難? | トップページ | ドラゴン宇宙船が地球に帰還 »