大飯原発再稼働
政府は関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を決定しました。関西電力は発電量に占める原発の割合が55%と他の電力会社に比べて突出して高い状態でしたので、原発が全て停止した状態では電力の供給がショートするのは時間の問題でした。原発の再稼働に関しては多くの反対意見がありますが、では再稼働しないことによる不利益に対しては誰がどう責任を取るのか甚だ疑問です。この夏15%の節電が必要とされていましたが、企業や事業所では従来の電力料金で安定的な供給がなされるのが同業間、国際間の競争で最低限求められる条件です。
今や多くの業種で、海外生産が当たり前のこととされており、例えば自動車産業では3年後には国内の部品調達は現在の40%の水準にまで減少すると言われています。企業の存続のためには仕方のないことかも知れませんが、その分国内の雇用機会は減少し失業率は上昇します。新卒者の就職率も更に厳しい状態となってしまいます。原発の運用に安全性の強化が求められるのは当然ですが、かと言って社会の安定も無視できるものでもありません。一般市民として節電に協力するから原発再稼働は必要ないと言う意見は精神論でしかなく、わずか0.1秒でも停電すれば製品の品質に影響が出かねない分野の企業活動では命取りになりかねません。
これで今夏の電力供給が十分な状態になった訳ではありませんが、ともあれ、これで関西から企業が雪崩を打って流出する事態だけは避けることが出来そうです。今後は政府に早急に安全指針を制定してもらい、誰もが納得できる形で残る原発の再稼働を目指すべきだと思います。
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