那智の滝にロッククライミング
世界遺産に登録された熊野三山の那智の滝に登ったとして登山家三人が軽犯罪法違反(立ち入り禁止場所への侵入)で逮捕されました。落差が133メートルある那智の滝は一段の滝としては日本一で飛瀧神社の御神体とされ、滝つぼ周辺には策が設けられ立ち入りが禁止されていました。三人はこの柵を乗り越えて進入し、約100メートルの高さまで登ったところで、警察の説得を受けて中断したものですが、本当に呆れた行為です。
そこに山があるからと言ったとされるのはジョージ・マロリーですが、登ってみたかったと言っても許されない場所があることをわきまえるべきです。宗教の場、それも御神体とされる場所をクライミングシューズで踏まれることはそれを信仰する人たちにとっては耐えられない蛮行です。登山界では初めてそのルートを登ることを初登、初登攀として称えますが、このような所を登ったとしても決して褒められることはありません。三人は既に釈放されているようですが、今後は人の道を外さないような活動をして欲しいものです。
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コメント
侵入禁止の場所をあえて登る輩は、外国人にはよく見られることですが、日本文化を大ない小なり理解できているはずの日本人がした行為としては、非常に残念です。
山登りこそ、仏教の精神が宿っていると思うのですが。
投稿: 山奥 | 2012年7月16日 (月) 21時57分
山奥さん、コメントありがとうございます。最近はあまり聞かなくなりましたが、以前は高層ビルの外壁を所有者に無断で登るクライマーが良く逮捕されていましたね。
登山は極めて私的な行為で、その動機はと言えば登ってみたいからに尽きます。但し、この世の全ての土地には所有者がありますから、所有者の意に反して勝手に進入することは犯罪となります。ましてや神域となれば信仰を冒涜することになりますから罪はとてつもなく重いと思います。
投稿: 雨辰 | 2012年7月17日 (火) 06時23分