« 地震が続く | トップページ | 米議会が銃規制を否決 »

2013年4月19日 (金)

マダニ感染症の恐怖

マダニによるウィルス感染症、重症熱性血小板減症候群(SFTS)による死者が8人になりました。海外では依然から知られていた病気ですが、最近になって国内でもウィルスが存在していることが判り、保存血液から過去にさかのぼって発症して死者が出ていたことが明らかになりました。近年自然環境の変化から、野生動物と人間の遭遇の機会が増えていますが、私の地方でも動物に寄生するヒルやダニの類が増えています。

これまでは吸血されるのが敬遠されるだけでしたが、これからはSFTSの感染予防の注意が必要になります。これまでの発生は山口県で2例、佐賀県や鹿児島県など主に西日本に集中しているようですが、認知度が低い病気ですから他の地域では発見されていないだけかも知れません。予防策としてはダニと接触しないことに尽きますが、林業関係者やアウトドア愛好者は必然的に山野に入域しますので注意が必要です。とりあえず防虫スプレーなどの忌避剤は欠かせないかも知れません。

|

« 地震が続く | トップページ | 米議会が銃規制を否決 »

コメント

長文レスで失礼します。

中国(SFTSと鳥インフル)のおかげで忙しくしております。
さて、この病気が今までわからなかったのは、日本ではダニ媒介性の(ヒト)の感染症の研究が始まったのが近年になってということ、これまでの概念がリケッチャという細菌によるものしかないと思われていたことにあります。
西日本に発生が多い「日本紅斑熱」は30年前に徳島の馬原医師が発見しました。感染症として本格的な対策がとられたのは15年前から。この他にも古来からその存在の記述がある「ツツガムシ病」がありますが、いずれも抗生物質により治療が可能です。

SFTSはブニヤウイルスによるウイルス感染症であり、抗生物質が効きません。そのため、上記2疾病に罹ったと診断し、抗生物質の投与を受けたが反応せず死亡した患者が、今までに複数いたことを示します。その時は診察を受けるのが遅かった、高齢で予後不良となったという判断がされたのだと思います。

ツツガムシ病と日本紅斑熱、SFTSとの違いは媒介するダニの種類が異なります。

ツツガムシ病はつつが虫という非常に小さいダニです。この病気の病原体は吸血によって感染が広がるわけではありません。(わかりにくいですが、感染ダニがヒトを吸血し、ヒトが感染、非感染ダニが感染者を吸血しても感染ダニにはならないということです。
つまり、親ダニから子ダニへ卵を介してのみ病原体が移行する(介卵感染、垂直感染)とうことで、そのため病原体を持っているつつが虫の生息範囲は限定されています(発生は北海道を除く日本各地)。また、ダニの病原体保有率は0.1~0.3%と低いため、非常に限られた地域でしか発生がありません。これが風土病といわれる所以です。つつが虫は生涯で1回しか吸血せず、このときにヒトに感染します。

日本紅斑熱は、マダニにより媒介され、西日本で発生が多くみられます。マダニは成長に合わせ生涯のうち3回吸血します。マダニは生息範囲や吸血動物の範囲が広く、屋内以外ではどこにでもいます。感染ダニに吸血され、保菌した動物を非感染ダニが吸血することで感染ダニとなります。そのため、感染野生動物が移動することにより感染ダニの生息範囲が広がっていく可能性があります。

SFTSは感染マダニに吸血されることによりヒトが感染することはわかっていますが、どのような動物に感染するのか、感染動物からダニが感染を受けるのか、野生動物やダニの保菌率はどのくらいなのかが判明していません。
しかし、過去からあった、山口県ではこの春にも感染者が出たことを考慮すると、ダニに噛まれないように注意することが重要です。
過度に恐れる必要はないですが、山に登った後などに発熱した場合には、医療機関を受診し、ダニに噛まれた可能性があることを伝えてください。

ダニに噛まれているのを発見したら、無理にはがさず、皮膚科を受診するか、ワセリンをダニに厚く塗って、30分以上放置し窒息死させてからワセリンごと拭き取ってください。ダニの口器に病原体がいるので、無理にはがしたりすると口器が残り感染頻度が高まります。また押しつぶすと機械的に病原体を自分の体内に押し込むことになります。
ダニが取り付いて24時間以内に取り除けば、感染する危険性はかなり低くなります。

ワンコも気をつけてあげましょう。
うちの中にマダニを持ち込むこともありえます。

個人的には、感染者がどの地域でみられたか、どのあたりの山を登っていたのか情報公開をし、正しい知識を普及させ、予防策を講じるべきと考えます。

(本当に長文ですみません)

投稿: 山奥 | 2013年4月20日 (土) 08時27分

山奥さん、詳細なコメント感謝です。さすが専門家と感心しました。最近になって急にSFTSが騒がれ出し、プライバシーもあってか感染の具体的な状況が明らかにされないので戸惑っていました。
今回の山口県の女性の件でも山でと言われていますが、農林業関連なのかレジャーなのかも判然としない報道の仕方では我々には恐怖以外何も伝わりません。私も是非情報公開をして欲しい思っています。

感染動物は私の地方のダニの生息域からするとシカかイノシシではないかと思いますが、垂直感染での伝搬と言うことなら意外と感染地域の広がりには時間がかかるのかも知れませんね。ワンコにはフロントラインを使っていますので今までダニの被害は皆無ですが人間様用をどうしようかと悩んでいます。

投稿: 雨辰 | 2013年4月20日 (土) 09時50分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: マダニ感染症の恐怖:

« 地震が続く | トップページ | 米議会が銃規制を否決 »