ロシア、プロトンMロケットが打ち上げ失敗
16日、ロシアがプロトンMロケットを使い大型通信衛星を打ち上げましたが、発射から545秒後に制御用エンジンが故障し太平洋に落下して打ち上げは失敗しました。プロトンMロケットはこれまで74回打ち上げられ7回失敗しており、打ち上げ成功率は89.2%でしたが、今回の失敗で88%となりました。宇宙大国ロシアですが、近年ロケットの打ち上げ失敗が目立つようになり昨年7月にも打ち上げに失敗しており信頼性が揺らいでいるようです。
我が国のH2Aロケットはエンジン2基の2Bも含めると27回中26回成功で96.3%の成功率となり信頼性の一つの指標である95%を超えています。では何故ロシアのロケット技術が低迷してしまったのでしょうか?ロシアは第二次大戦後に多くのドイツ人技術者を連行してロケット開発を進め、世界初の人工衛星の打ち上げに成功して以来、米国と宇宙開発を競ってきました。共産党独裁が崩れ、自由経済の体制となって軍事力の低下が指摘されることもありましたが、スペースシャトルが退役した今、国際宇宙ステーションに要員を送り込むロケットを持つのはロシアだけです。
西側流の成果主義やコストカットの弊害とは思いたくありませんが、最近の失敗の多さは目を覆いたくなるばかりです。我が国の衛星打ち上げビジネスにとっては強力過ぎるライバルですが、かつての宇宙大国としての勢いを取り戻して欲しいものです。
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