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2014年7月 6日 (日)

象牙の塔の東京大学

現在開発が行われているC-2次期輸送機が、今年の1月に地上での与圧をかけての強度試験中に後部ドア付近が大きく破壊する不具合が発生しています。このため防衛省は開発期間を延長して配備を2年延長する措置を取っています。C-2は配備から40年を経過して老朽化した現有のC-1輸送機を更新する機体のため、原因の究明と対策が急がれています。

ところが、防衛省が原因究明のため東大大学院の教授に協力を要請したところ、大学側から「軍事協力」を禁止した大学方針に反することを理由に協力を拒否する回答があったとのことですが、正直呆れ果てました。方針は大学の独立性を尊重し、「軍事力は悪」との価値観から取られたものと推測しますが、時代遅れとしか言いようがありません。

軍事技術が何か特別なもののように思われていますが、現実的にはコスト低減のため、民生品を積極的に活用しているのが現実です。早い話が「軍事用」とみなされたC-2輸送機ですが、主契約企業である川崎重工は民間用の輸送機の販売を計画しており、軍事用、民生用と区別することにあまり意味はありません。逆に旅客機として運用されているB-737は早期警戒機のE-737や哨戒機P-8に転用されています。危険な軍用機としてマスコミに叩かれたV-22オスプレイも民間版としてAW609が開発されています。
また戦闘機や防空システムに欠かせないレーダー技術も民間航空機や気象観測、地球観測衛星、最近では車の自動ブレーキに採用されるなど民間用途との境界はありません。

航空機の機体強度は安全に直結する重大事であり、1974年にはパリ郊外でDC-10の貨物ドアの不具合から墜落事故を起こし346名全員が死亡する事故が起きています。この事故では開発者のダクラス社が開発段階から不具合を把握しながら積極的に改善しなかったことが事故の主原因とされています。今回は開発を地道に行い、強度試験で強度不足が発見できたことはむしろ幸運だったとも言えます。東大は狭量なイデオロギーに囚われず、航空界の安全のため、積極的に役割を果たすべきではないでしょうか。

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ターボファンエンジン搭載の初の国産ジェット輸送機C-1です。600mと言う短距離での離発着が可能な優れた機体ですが、政治的な理由から航続距離が短いのが欠点とされ、自衛隊の海外任務が増えたことから米国のターボプロップ機C-130輸送機を輸入することになりました。

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