« スコットランドは英国残留 | トップページ | 秋桜日和 »

2014年9月21日 (日)

ソニーの凋落

ソニーの業績が低迷し、2015年3月期の決算が2300億円の赤字となり、1958年の上場以来、初の無配当となる見通しであると発表しました。ソニーはかつての主力製品であったテレビ事業が昨年まで10年連続の赤字であり、分社化することによって業績回復を目指していますが、現在の主力商品であるスマホ事業が不振で赤字が拡大してしまいました。ソニーはスマホで使われているカメラ機能のイメージセンサーの、主要供給メーカーなのですが、自社のスマホが競合製品よりも割高で競争力を失っているのは何とも皮肉な話です。

ソニーは創業以来、卓越した技術力で、これまで世に存在しない商品を生み出してきました。トランジスターラジオに始まり、家庭用ビデオレコーダー、ビデオカメラ、CDプレイヤー、DVDレコーダー、ウォークマン等々。世界初、世界最小、世界最軽量が当たり前のように謳い文句でした。毎年1月8日には注目商品の記者発表があり、世間の注目を集めていました。ところが今ではどうでしょうか、ソニーから世間が注目するような商品についての発表すらなくなってしまいました。

私自身、かつては身の回りの電化製品のほとんどがソニー製でしたが、現在我が家にソニー製の商品はほとんどなくなってしまいました。ソニーは戦後を代表する二人の経営者、井深大氏と盛田昭夫氏によって設立され、その独創的な技術によって瞬く間に世界市場に受け入れられ、リーディングカンパニーとしての地位を確立しました。ところが創業者が退いた後、その後経営の舵取りを独自性よりも収益性の確保に大きく切ってしまったことが現在の不振を招いた大きな原因です。この辺りが同じく戦後に創業し、世界企業となったホンダが発展し続けているのと大きな違いです。

リストラに次ぐリストラで優秀な技術者達を競合企業に追いやってしまったソニーにかつてのような活力が戻る日が来るのか何とも言えませんが、日本を代表する企業だけに何とか復活に期待したいところです。

P9090010

写真はソニー製のイメージセンサーを搭載したオリンパスOM-D E-M5で撮影したマツムシソウです。

|

« スコットランドは英国残留 | トップページ | 秋桜日和 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ソニーの凋落:

« スコットランドは英国残留 | トップページ | 秋桜日和 »