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2015年1月11日 (日)

準天頂衛星が7基体制に

現在、車でどこかへ出掛ける時にお世話になるのがカーナビですが、このカーナビの現在位置測定に欠かせないのが、GPSです。GPSは米国が軍事目的で開発した衛星を領した測位システムで、現在全世界をカバーする34基の衛星が運用されています。米国は民間用にGPSを開放していますので、これを利用してカーナビやハンディGPSが利用できるようになっています。

GPSは位置を測位するのに最低4基必要となりますが、元々米国が自国のために打ち上げた衛星ですから我が国の都合の良い位置にあるとは限りません。このため、地上から見た衛星の位置が低い位置にあった場合、周囲に山やビルがあると衛星の補足が上手くできないことが起こります。また、民間用に開放されているGPS情報は10mほどの誤差があるため、精密な測位が困難となっています。これらの問題を解決するために考えられたのが、我が国の真上付近に測位衛星を運航させる準天頂衛星システムです。

我が国は2010年に準天頂衛星みちびきを打ち上げ、その有用性を実証してきましたが、システムの構築には最低4基が必要となるのに、中々予算が付きませんでした。このたび政府が決定した今後10年の宇宙開発の基本となる「宇宙基本計画」でやっと準天頂衛星を7基にすることが盛り込まれました。準天頂衛星はH-IIAロケットで打ち上げられるますのでH-IIAロケットの打ち上げ機会が増えることにもつながります。我が国のロケット技術は世界レベルに達していますが、打ち上げ費用は割高と指摘されています。より一層の技術的な改善が求められるのは勿論ですが、打ち上げ機会の増加によって費用の削減が進むことは喜ばしいことです。

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