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2015年1月 2日 (金)

夢を乗せた翼が羽ばたく

今年は年明け早々に国産ステルス実証機であるATD-X(先進技術実証機)の初飛行が予定され、4~6月には初の国産ジェット旅客機MRJの初号機の初飛行が、そして次期輸送機の量産1号機が完成の予定と国内の航空界にとって話題の多い年となっています。

ATD-Xは防衛省技術研究本部がステルス機の開発研究を行い、2005年に低RCS(レーダー反射断面積)の実物大モデルを作成し、フランス国防装備庁に依頼してRCSを実測してもらい、設計の確からしさを確認したことに端を発しています。ステルス機は米国が世界に先駆けて開発し、F117が湾岸戦争、コソボ紛争で、B-2爆撃機がイラク紛争で実戦に供され、各国がその戦略的優位性に脅威を感じて研究開発に着手しています。

我が国は米国にF-22の導入を打診し続けていましたが、その一方でステルス機の研究を行っていた訳です。F-2開発時には限定的ながら低RCS性が考慮されたとも言われますが、詳しいことは明らかにされていません。その後は予算が中々付かず、足踏み状態でしたが、2009年に実機の開発が認められ、昨年三菱重工で機体が完成しています。ATD-Xはそのまま戦闘機開発につながる訳ではありませんが、必要な技術の確認を行う重要な試験を行います。

MRJも既に機体は完成しており、現在は初飛行に向けて地上での評価を行っているものと思われます。MRJは当初は軽量化のため複合素材を多用する構想でしたが、比較的近距離を飛行し、離着陸の回数が多くなる運用形態となることから対疲労性を考慮してジュラルミン素材に変更するなど、技術的な冒険を控える設計となっていますので、大きなトラブルは回避できるのではないかと思われます。

飛行機は飛ぶために作られているのですが、やはり実際に飛ぶことになる初飛行は一種独特の雰囲気があります。安全性については地上で十分確認されている筈ですが、無事に飛行を終えて地上に降り立つことを祈っています。

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