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2015年6月17日 (水)

文化財保護に対する浜松市の残念な姿勢

浜松市は、浜北区にある江戸時代末期の長屋門や土蔵のある「森岡の家」を解体する方針を関係市民団体に通知しました。「森岡の家」は静岡銀行の基礎を築いた平野家の旧宅で平成5年に旧浜北市に寄贈され、地元の文化財として市民に公開されて来ました。ところが最近になって耐震性に問題があることが判ったことと、敷地内の大木の倒木の心配があると地元自治会連合会が早期解体と樹木の伐採を市に訴えていました。市側は2014年3月末で閉館し解体する方針を打ち出していましたが、地元市民団体が保存を求める運動を起こしていました。

長屋門については一部を別途活用すると言うことですが、長屋門は江戸時代の建造物であり、建物全体で価値のあるものなので、一部を欠いた形でしか残さないのは保存の態を成しません。邸宅と言うものはその場所にあって価値のあるもので、地域の景観にも重要な要素となっています。また、樹木についても幹回り5m樹齢200年とされる大銀杏や旧浜北市時代に指定保存樹木となっていたクロマツの大木など簡単に伐採すべきでないものばかりです。

江戸や明治期に建てられた建造物が、今日の耐震性の基準に適合しないのはやむを得ないことですが、適切な地盤改良や補強によって強度を確保する方法はいくらでもある筈です。郷土の偉人が残した文化財をまるでゴミ屑のように抹殺しようとする浜松市の態度が理解できません。

浜松市は、日本史における重要人物である徳川家康が築城し、天下人となる礎を築いた浜松城址の保存に努めることなく、今また文化財の破壊行為を繰り返そうとするのは許せません。文化財軽視の姿勢は市の将来にとっても問題だと思います。

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萩市で保存されている江戸時代中期の様式の長屋門。現在は萩市の所有で無料で公開されています。財政規模の小さな萩市でやれることが政令市の浜松で何故やれないのか理解できません。

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