F-35にF-16が勝った?
米国が国際共同開発中の新型戦闘機F-35と量産から随分年数の経ったF-16がミサイルなしのドッグファイトの模擬空中戦を戦ったところ、F-16の一方的な勝利に終わったとテストパイロットが手記で語っているのが反響を呼んでいます。
これは今年の1月にカリフォルニア州沖でF-35Aの試作機「AF-02」とF-16DBlock40との間で行われたもので、F-35Aは機動制限あり(9Gのところ現在は7Gに制限)ステルス塗装なし、先進的目標補足システム非搭載なので、むしろ当然の結果とも言えます。
そもそも何故、米国が30兆円以上の巨費を投じてステルス機を開発しているかと言えば、F-16のような第4世代機に対して圧倒的な優位に立ち、相手がこちらを発見する前にミサイルを発射し、撃墜することを目的にしています。そのため、EO DASという赤外線カメラの一種で機体全周を見渡すことができるシステムを搭載し、相手が真横にいても発見して照準装置を備えたヘルメットでそちらの方向を見るだけで対空ミサイルを発射できるシステムを搭載しています。
つまり、本来の完成した機体であれば、このような短距離での戦闘は起こり得ず、F-16はF-35を発見できないまま一方的に撃墜されています。今回の模擬戦にどのような意図があったのかは判りませんが、開発途上の機体であり能力も不完全であったことを考えれば、大騒ぎする話ではないように思えます。
米軍三沢基地に配備されているF-16戦闘機。
| 固定リンク
コメント