「明治産業革命遺産」世界遺産に登録
5日、ユネスコの世界遺産委員会は日本の8県、23施設からなる「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の世界遺産登録を決定しました。日本の登録申請に対し、韓国が軍艦島で知られる長崎県の端島炭鉱など7施設で第二次大戦中に朝鮮人が強制的に労働を強いられた歴史があったとして登録に反対する立場を取っており、登録の可否が危ぶまれる状況となっていました。
このような韓国側の動きに対し、先月になって日韓の外相が会談し、百済の登録を申請している韓国と相互に協力することで一致したとされ、登録に向け大きく進展したと見られていました。しかし直前になって、韓国側が強硬に強制労働があったことを再び強く主張したため、各国から政治問題化に困惑する状況となっていました。
我が国としては対象時期が明治期であり、強制労働があったとされる1940年台とは異なると主張していましたが、最終的に韓国側の主張の一部を取り入れ、「自らの意思に反して幾つかの産業革命遺産に連れてこられ、厳しい環境下で労働を強いられたことへの理解を促進させる措置を準備している」と審議会で発言して歩み寄りました。
強制連行、強制労働に関しては、当時の朝鮮は日本に併合されており、日本自体が国家総動員法の下、戦争遂行のために国民が軍や企業に動員されている中での出来事であり、朝鮮出身者のみを徴用したものではないのですが、このあたりの理解を得るのは難しかったようです。
構成遺産の一つ「松下村塾」。日本の近代化に活躍した多くの人材を輩出しました。
我が国は鎖国中の江戸時代も独自の科学や産業技術を発展させていましたが、何といっても幕末以降に西洋の技術を導入したことによって目覚ましい発展を遂げました。その後はアジア、アフリカに植民地政策を推し進める欧米との摩擦が強まって行きましたが、今日の繁栄の礎になったのは間違いありません。世界遺産登録は当然のことだと思います。
| 固定リンク
コメント