沼津高尾山古墳は保存すべき
沼津市にある高尾山古墳が道路建設によって消滅の危機を迎えています。高尾山古墳は道路工事によって2008年に発見されましたが、非常に貴重な古墳とされており、保存の行方が注目されています。古墳の価値について週刊SPAWeb版からの引用です。
~ 静岡大学の篠原和大教授はこう解説する。
「高尾山古墳は、東日本最古・最大級の古墳です。築造は230年頃、埋葬は250年頃と推定されています。邪馬台国の女王・卑弥呼の墓と言われる前方後円墳・箸墓古墳(奈良県桜井市)よりも前に、東海地方でこれだけ巨大な前方後方墳が造られていたというのは、非常に重要な発見です」
高尾山古墳は全長62.178m、周囲に幅8~9mの周溝が巡らされ、周溝の底から墳頂までは4.679m。これは古墳出現期としては全国でも屈指の規模だという。それだけの勢力を持った王がこの地域に存在したということになる。
「最初のスルガの王の墓と言ってもよい。卑弥呼と戦った狗奴(くな)国の王・卑弥弓呼(ひみここ)の墓だとする説もあります」 ~
我が国の古墳発生時期は3世紀半ば頃とされていますので、高尾山古墳は最初期の造営で、相当な権力者の墳墓であったことは間違いありません。もしかしたら古代史を書き換える可能性を秘めているかも知れません。このような貴重な古墳は国民の財産と言っても過言ではなく、地域住民の利便性のために破壊してしまうことは許されないと考えます。
沼津市議会は道路建設を前提とした古墳の全面発掘を決定しましたが、栗原裕康市長は「ただちに予算を執行しない」と発掘調査を一時保留する考えを示し、行政と学識経験者らによる協議会を新たに設置し、古墳保存と道路建設の在り方を再び検討すると述べています。保存や道路の付け替えに多額の費用が掛かるのであれば、県や国の補助も視野に入れ、保存に全力を尽くして欲しいものです。
奈良市にある前方後円墳の垂仁天皇稜です。
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