フェリー火災鎮火せず
先月31日に発生したカーフェリー「さんふらわあ だいせつ」の火災は発生から5日目となった今日になっても鎮火できていません。カーフェリーは効率良く車両を乗船させるため、甲板下のデッキに駐車スペースを設けていますが、言ってみれば大型の薪ストーブのようなものなので、一旦出火すれば燃料を満載した車両火災を消火するのは困難です。
今回の火災事故でも一応はスプリンクラーが作動したようですが、車両の燃料タンクに引火した火災では、スプリンクラー程度の水量では文字通り焼け石に水です。車両にはガソリンや軽油が数十リットルから数百リットルの単位で搭載されており、それが数十台もあるのですから、酸素が供給されている状態で消火剤や放水しても、おいそれと消火できるとは思えません。
一番効果的なのはデッキを防火シャッターで密閉し、酸素を遮断して窒息消火をすることです。今回のフェリーではそのような構造になっていなかったようですが、電源設備など放水ができない火災ではハロンガスを放出させて酸素を遮断させて消火します。消火手段が限られる洋上での火災対策として車両デッキへの防火壁の設置を義務付けてはどうでしょうか。
ヘリコプター搭載護衛艦「ひゅうが」の格納庫。火災に備えて格納庫中央に防火シャッターを備えており、万一出火しても残り半分へ延焼しない構造になっています。
「さんふらわあ だいせつ」は寄港地の室蘭ではなく、函館港に曳航し、二酸化炭素の注入によって火災を鎮火させる予定になっています。
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