« 豪への潜水艦輸出問題 | トップページ | 二俣城現地説明会速報 »

2015年10月17日 (土)

晩年

作家太宰治の作品の一つに「晩年」があります。晩年とは人生の終末期を指す言葉ですが、「晩年」は彼が27歳の時の最初の作品集だったのです。デカダンスと評された彼がちょっと背伸びして付けたタイトルだったのかも知れません。

何故か急にこの言葉が浮かんだのは俳優、田中邦衛の近況を伝えるネット記事を読んだからです。ドラマ北の国からで黒板五郎を演じて日本中の共感を呼びましたが、気が付けば何時しかテレビで見かけることがなくなってしまっていました。今年の5月には北の国からをプロデュースした中村敏夫氏が亡くなりましたが、その葬儀にも参列せず健康面が心配されていました。

記事が伝えるところでは、現在は歩行が困難な状態のため、車椅子での生活を余儀なくされており、リハビリのために老人ホームに一時入居しているとのことです。北の国から開始時には49歳だった彼も現在は82歳になっていました。私の中では富良野の丸太小屋で自然に逆らわずに生きている黒板五郎のイメージが定着していますが、現実は冷酷で老いは確実に進んでいました。

女優原節子は、小津安二郎監督野の死とともに女優を引退してファンの前から姿を消してしまい、現在までその後の映像が伝えられることはありません。ファンにとっては当時のままの姿で生き続けている訳です。最近は録画機器の発達で、芸能人と言えども容易にプライバシーが晒されてしまいます。シャイだったとされる田中氏が年老いた姿を世間に見せることを望んでいるとは思えませんが、世間に夢を与え続けたエンターテイナー達の晩年の姿について報道する際は、一定の配慮が求められるのではないでしょうか。

P5250107r

|

« 豪への潜水艦輸出問題 | トップページ | 二俣城現地説明会速報 »

コメント

全く同じタイミングでネットニュースを目にしました。
そして雨辰さん同様、細心の配慮が求められると思います。

老いはだれにでも平等に訪れますが、やはりファンや視聴者の記憶の中には、スクリーンやモニターの中で演じていた役の姿で残されています。
田中さんの奥様のコメントでは近々、本人からの挨拶もあるようなことを言われていたようですが、ご本人の意思に逆らうことの無いようにしてあげたいものです。
ご本人が挨拶を望むのであれば、それで良いのですが。。。

投稿: zero | 2015年10月19日 (月) 09時18分

zeroさん、コメントありがとうございます。

俳優は夢を売る商売だと、どなたかが言っていましたが、ファンは俳優が演じた人物をその時点の姿のまま記憶の中に長く留めることになります。

私にとってオードリー・ヘップバーンはローマの休日の王女のままですし、田中邦衛は黒板五郎のままの姿です。

芸能人の告別式などで、かつての大物スターが車椅子姿で参列したり、コメントを求められたりした映像を見ることがありますが、果たしてそのままの音声や映像が必要なのか、いつも疑問に思っています。

投稿: 雨辰 | 2015年10月19日 (月) 10時12分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/171584/62492330

この記事へのトラックバック一覧です: 晩年:

« 豪への潜水艦輸出問題 | トップページ | 二俣城現地説明会速報 »