第三次安倍改造内閣発足
安倍首相が内閣改造を行い、第三次安倍内閣が発足しました。事前に内閣改造が公表され、主要閣僚を留任させることが明らかにされていましたし、新入閣の顔ぶれもリークされていましたのでサプライズと呼べる人事は見られませんでした。身内、もしくは自身の政策に同調した人材で固めた、いわゆる仲良し人事で新鮮味はありません。
ベクトルが揃っていると言えば聞こえが良いのですが、イエスマンの集まりは一朝有事に弱いのが通例です。また人材の小粒感は否めず、その役職に選んだ妥当性が感じられません。かつての自民党は、各分野に精通した政策通の人材が各派閥にいて、勉強会などで政策について理解を深めていました。
今回新入閣の閣僚で、その道のオピニオンリーダーと言える人材はいるのでしょうか。安倍長期政権を睨んで非主流派を遠ざけるあまり、肝心の政策について立案・推進を期待できる人材が見あたらないのは残念です。これまで戦後レジームを見直し、アベノミクスが成果を生んだと言っていながら、アベノミクスの第二ステージとして新三本の矢を放つと言い出すなど経済運営が順調でないことを自ら認めたようなものです。
非正規労働者が増え続け、低所得者層が拡大して結婚年齢が上がり続ければ出生率の改善も望めません。牛丼大手3社が値下げ競争を再開したり、9月の新車販売ランキングで上位10車中、軽自動車が6車を占めるなど景気の好況感が感じられない状況です。大手企業だけが潤うのではなく、国民全体が豊かになる本来の経済政策が望まれます。
行けども行けども豊かな社会への出口が見当たりません。
| 固定リンク
コメント
新3本の矢の内の1本、介護離職ゼロ、これは業界内でも波紋を広げ物議を醸しています。
財源不足で介護は在宅、つまりできる限り家で と言う方向から一転、特別養護老人ホームをバンバン建てて入所していただき、家族は仕事を続けて経済を生んでくれってことです。
認知症の母親を抱えているzeroとしては、家で観ながら仕事も続ける不安は常にありました。生活破綻の矢を常に突きつけられている気分でした。
さて、今度は施設です。箱モノを増やすのはいい。しかし、専門性を要し知識や技術だけでなく人間性も必要とする介護専門職が年収300万円程度の低賃金でどこも職員不足、求人出しても応募がない。こんな業界状況でハードを増やしても、ソフトが集まらないことは明白です。
zeroは業界人として、そして要介護者を抱える家族としての両側面から、この崖っぷち状態の状況を、介護離職ゼロという矢がどのように射抜いていくのか見届けたいと思います。
投稿: zero | 2015年10月 9日 (金) 09時20分
zeroさん、コメントありがとうございます。
安倍首相は初志を貫く政治家だと思っていましたが、自民党総裁選やこの度の内閣改造を見て失望しています。アベノミクスを標榜していましたが、当初はデフレ基調を脱し、物価指数がプラスになっていましたが、最近は息切れしていて、経済成長率もマイナスに転じてしまっています。
にも関わらず、経済系策の総括もしない中で新三本の矢を持ち出されても、唖然とするばかりです。唐突に示されたGDP600兆円についても、ロードマップも示せないのであれば、ただの与太話に過ぎません。
介護離職ゼロについてもHOWの部分が欠落しており、どこまで本気の話なのか俄かに信じることができません。
残念ながら裕福な星の元に出自した人物に、社会的弱者である低所得層や育児、介護の支援についての観点が欠落しているのも止むを得ないことかも知れませんが、そのようなことについて諌言してくれる人材が得られないのは自業自得なのかも知れませんね。
投稿: 雨辰 | 2015年10月 9日 (金) 21時47分