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2015年10月15日 (木)

天網恢恢

ドイツVW社の排ガス不正事件で企業の在り方が世界中で問われることとなりましたが、そんな最中、わが国でも世間の信頼を失う事件が相次いで明らかになりました。

一つ目は横浜市で三井住友建設が施工したマンションで、基礎工事を請け負った旭化成建材が地盤調査を偽装して施行したため、建物が不等沈下して傾いたと言うものです。一頃、耐震強度を偽装して、建築費を安くごまかす手口で多くの被害者を生みましたが、このような大手の企業がどうしてこのような悪質な事件を起こしたのか、ちょっと信じられない事件です。

二つ目は先に建築用免震ゴムで耐震性の数値をごまかしていた東洋ゴムで、産機用の防振ゴムでも不正が行われていたというものです。不正が行われていたのは免震ゴムを製造していたのと同じ明石工場でしたが、具体的な納入先や不正の内容については現段階で明らかにされていません。防振ゴムはエンジンやコンプレッサーなどの振動や騒音を発する部品に取り付けて振動や騒音を和らげる目的に使用しますが、品質が劣っていればその性能や寿命に影響が出ることが予想されます。かつて我が家で使用していた冷蔵庫のモーターに使われていた防振ゴムが異常に早く劣化したことがありました。この部品が東洋ゴム製だったかは、今となって闇の中ですが、今後こんなケースが続発することもあり得ないことではありません。

地盤に打ち込む杭も上に建物が建てられてしまえば、外から見ることはできません。少々不正をしても判らないだろうと思ったのかどうか、また、防振ゴムも使用してしまえば日常的に消費者の目に触れることはありません。今回の不正が人目に触れにくいところで起きていることが、より一層悪質だと感じられます。それにしても「天網恢恢疎にして漏らさず」とはけだし名言だと思います。

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