お城の寿命
第二次大戦では国宝だった名古屋城を始め、和歌山城、広島城など多くの城が爆撃による火災で失われてしまいました。これらの城や明治期に失われた城跡では戦後になって鉄筋コンクリートで復元されましたが、ここに来て新たな問題が浮上しているようです。
それは鉄筋コンクリートの耐久性の問題です。木造と違ってコンクリートは強固なイメージがありますが、鉄筋の腐食やコンクリートの風化によってその耐久性は50~60年と言われています。木造天守が築城後400年以上を経ても現存しているのに、近代的な工法で建てられた再建天守が短寿命なのは皮肉としか言いようがありません。ちなみに著名な城の再建時期を調べてみると、名古屋城(1959)、和歌山城(1958)、熊本城(1960)、岡崎城(1959)、小田原城(1960)、浜松城(1958)と、なぜか1958年(昭和33年)から960年(昭和35年)に集中しています。
昭和33年から今年で57年が経ちますので、どの城もそろそろ寿命が心配されますが、小田原城では既に耐震工事に着手しており、今年の7月から来年3月まで天守への入城を中止しています。小田原城では木造による復元も検討されているようですが、実現まで時間がかかるので、とりあえずと言ったところでしょうか。
観光面への影響もありますが、何にしても安全の確保が一番なので、それぞれの管理責任者の適切な対処が望まれます。
浜松城も往時の大きさで木造天守の再建が待たれます。
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