自動運転車の実現性
このところ自動運転車に関するニュースが多くなっています。現在開催中の東京モーターショーでも、各社が近未来技術として試作車をアピールしています。政府も2020年の東京オリンピックに、自動運転のタクシーの運行ができないか検討を始めています。
現在でも歩行者や障害物を検知して自動的にブレーキをかけるシステムや速度を一定に保つシステムは実用化されており、そこから実際の運転で集められた様々な運転中の状況が、自動運転の開発に大いに役立っているのではないかと思われます。
では、各社が実用化の目途としている2020年に、一般道路を自動運転車が走行可能かと考えた時、やはりちょっと厳しいのではないかと思います。ただ、自動運転と言ってもレベル1からレベル4まで、ドライバーの関与の度合いが違いますので、その時点での技術の進展や道路インフラ、事故に関する責任問題などによって、どの程度の自動運転が許容されるかは全くの未知数です。
現在、各地で居眠りや脇見による追突事故やアクセルの踏み間違いや体調不良者よる暴走、高速道路の逆送などが問題になっており、もし車体にこれらを防ぐ機構が備わっていたらと思いますが、現時点では自動運転の限界も明らかになっています。
先日も行動実験車が路外にはみ出す「事故」を起こしましたが、信号や交通標識、停止線やセンターラインを車体が認識して走行する場合、もしこれらに不備があると大変危険なこととなってしまいます。実際にあったケースでは路肩の雑草を障害物と認識して中央寄りにハンドルを切ったり、信号が連続する交差点でスムーズな発進ができなかったケースが確認されています。また、高速道路での合流時に本線側が渋滞していると、現在の自動運転車では対応できないようです。
これらは人間でも誤って対応したりすることがありますので、大変難しい課題だとは思いますが、実際の道路では物陰からの飛び出しや路面の冠水や落下物など、予測不能な事態に結構な頻度で出会います。また工事などで応急に作られた通路を走行することも良くあります。これらのことを考え合わせますと、現在の状況ではレベル4の完全自動運転は、かなり厳しいのではと思われますが、レベル3の半自動運転までは何とか漕ぎつけて欲しいものだと思います。
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