会計検査院が防衛省に無駄遣いを指摘
会計検査院が2014年度の国費の使途についての決算検査報告を公表しましたが、無駄遣いや不適切な経理、改善が必要な事業は570件、1568億円が計上されました。この中には、防衛省のF-15戦闘機のレーダーを、能力向上型と交換した旧型の機器の計256個がそのまま放置され、有効活用されていない件が含まれていました。
これについて旧型部品など使えないとする突っ込みが各方面から入っています。F-15J戦闘機は米国マクダネル・ダグラス社のF-15C/Dを日本の三菱重工でライセンス生産したもので、1981年に運用が開始されました。運用開始から今年で34年になりますが、わが国の空の守りとして第一線を担い続けています。しかし、日進月歩の技術の進歩の中、30数年前の機体では流石に他国の最新機に太刀打ちできませんので、主要な機器類を新型のものに交換したり、新たな装備を追加する近代化改修を行っています。
初期ロットで改修前の機体をPre-MSIP機、改修後の機体をJ-MSIP機と呼んで区別していますが、計画では現有保有機約200機の内、Pre-MSIP機99機を除く102機に近代化改修を行うことになっています。平成26年度までに84機が改修を終わっており、搭載レーダーがAN/APG63からAN/APG63(V)1に交換されました。会計検査院はこの取り外したAN/APG63が活用されていないことを指摘しています。ただし、このAN/APG63レーダーを搭載しているのはF-15JのPre-MSIP機のみとなりますので、もし再使用するとすれば壊れたPre-MSIP機のレーダーと交換する時となりますが、運用機会の少ないPre-MSIP機ではレーダーの使用頻度も高くないと思われますので、どれほどの需要があるかは疑問です。
スクランブル体制のF-15J戦闘機。
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