タカタが硝酸アンモニウムの使用を中止に
タカタのエアバッグで、既にリコールされていた日産車が、交換用のエアバッグが間に合わずに入荷待ちをしている内に事故に遭遇、破裂事故が起きてしまいましたが、騒ぎの発端となったホンダがタカタ製のエアバッグの使用中止に踏み切りました。
一連の破裂事故は、エアバッグを膨らめるインフレ―ターと呼ばれるガス発生に使われている硝酸アンモニウムと言う火薬が湿気によって変質したことが原因ではないかと考えられていますが、タカタはこれを否定していました。ところが、タカタ以外のエアバッグメーカーは全て硝酸グァニジンを使用しています。硝酸グァニジンは吸湿性はないと言われており、事実他社製のエアバッグではこのような破裂事故が起きていないことから、やはり硝酸アンモニウムの特性による可能性が高まっています。
事故が多発した米国の運輸省は新たにタカタが硝酸アンモニウムを使ったエアバッグを供給する契約を結ばないことをタカタに要求していましたが、ついにタカタも2018年までに硝酸アンモニウムの使用を中止すると発表しました。自動車部品は、安全性の確認に多くの時間を費やしますので、タカタとしてもそう簡単に硝酸グァニジンへの切り替えはできないのですが、ことがここに至ってはそんなことを言っていられなくなったものと思われます。
エアバッグは、衝突事故の際にシートベルトの補助器具として被害軽減に大きな効果がありますが、そのエアバッグが危害を及ぼすようでは本末転倒です。人命にかかわる事故が起きている以上、硝酸アンモニウムの使用中止は止むを得ません。
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