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2015年12月 1日 (火)

毒物殺人事件

世の中には知識を悪用する人があるようで、夫を毒殺しようと植物から抽出した猛毒を焼酎に混入させた別居中の妻が逮捕されました。幸い未遂に終わり妻が逮捕されて事なきを得たのですが、犯行に用いられたのがトウゴマと言う植物です。

トウゴマと言ってもピンとこない人が大半だと思いますが、私も全く知りませんでした。しかし、その種子から採れるものがひまし油と聞けば、思い至るのではないでしょうか。そのトウゴマの搾りかすの部分にリシンと言う猛毒が含まれています。リシンは人間の体内に入るとタンパク質の合成を阻害し、死に至らしめます。その致死量はわずか1mgで、現在のところ治療薬は損在していません。また、トウゴマ自身について栽培、保有について法的な規制はありません。

被害者の妻が、どこでこのような知識を得たのか判りませんが、身近にありふれた物質に猛毒が含まれているのは大変に恐ろしいことです。このような植物にトリカブトがあり、過去に実際に殺人に用いられたことがありましたが、トウゴマの毒物については世間の認知度は高くありませんでした。幸いなことに今回の事件が認知度を高めましたので、不審死の際の確認事項になって、再発を防ぐことにつながることを期待したいと思います。

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こちらがトリカブトです。アイヌ民族はこの毒を矢の先端に塗って狩猟に使用していました。

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