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2015年12月 4日 (金)

金星探査機「あかつき」が軌道変更に再チャレンジ

昨夜は小惑星「りゅうぐう」からの岩石サンプル採取に向けて飛行中の小惑星探査機「はやぶさ2」が、地球の引力を利用して加速しながら「りゅうぐう」に軌道変更するスイングバイを実施しました。今のところ機器は正常に機能していますが、当初の軌道に投入できたか判明するのには1週間ほどかかる見込みです。

初代の「はやぶさ」は、道中で発生した多くのトラブルをその都度克服して、史上初めて月以外の天体から岩石を持ち帰ることに成功しました。「はやぶさ2」には多くの改良が加えられ、初代に起きたトラブルは回避できるようになっていますので、それだけ成功の確率は高まっています。「はやぶさ」は2020年に地球に帰還する予定ですが、今回も無事に成功することを期待しています。

さて、本題の金星探査機「あかつき」です。「あかつき」は2010年5月にH-IIAロケット17号機で打ち上げられましたが、同年12月7日に金星への軌道変更に向け軌道制御エンジンを燃焼中に機体トラブルから姿勢異常となって燃焼に失敗、軌道投入に失敗しました。「あかつき」は太陽の周りを周回する軌道を飛び続けていますが、搭載した機器は太陽からの熱にもめげずに正常に機能しています。JAXAは詳細な軌道計算の結果、「あかつき」の姿勢制御エンジンを利用して金星への軌道投入が可能なことを解明、今年の7月に姿勢制御用エンジンを3回噴射して再投入のための軌道修正に成功していました。

「あかつき」は、前回の失敗と全く同じ日の今月7日に地球に最接近しますが、その際に姿勢制御エンジンを20分間噴射して金星への軌道投入の再チャレンジを行ないます。但し、姿勢制御エンジンは、軌道制御用エンジンの2割ほどのパワーしかないため当初の軌道には投入できず、さらに大きな楕円で周回する軌道となります。このため、遠地点では金星から遠い位置となり、当初予定の観測が十分行なえない可能性がありますが、逆に俯瞰的な位置から観測することによる新たな発見も期待されています。

再投入に成否については、9日にJAXAから正式な発表が行われる予定ですが、こちらも成功を期待したいと思います。

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