松本城の石垣が崩壊
国宝松本城の外堀の石垣の一部が崩壊しました。当該部分は明治以降に修復された外堀南側の部分で、長さ3m高さ1mが崩れました。今日残されている城郭の多くは戦国時代末期から江戸時代初めに築城されたもので、多くは400年以上の時を経ています。織豊期や江戸時代前期の石垣造営技術は今日よりはるかに優れており、残念ながら近代になって修復された箇所が再び崩れる事例は少なくありません。松本城の石垣に関する記事は以下の通りです。http://www.chunichi.co.jp/s/article/2015120190223045.html
松本城太鼓門周辺の外堀。かつての石垣の姿を今日に伝えていますが、今回崩落した部分の石垣と積み方が全く違っています。
築城当時の技術の巧拙もありますが、わが国の場合は地震による崩落も発生していますので、そのことを考えれば私達が今日多くの石垣を見ることができることは大変素晴らしいことなのです。
地震による崩壊と言えば歴史上も数多く発生していますが、2011年の東日本大地震でも福島県の白河小峰城や二本松城で石垣の崩壊が発生しました。白河小峰城では現在も復旧作業中ですが、崩壊した石垣をクロスワードパズルのように一つ、一つ組み合わせるのは大変な作業です。
白河小峰城の御三階櫓です。
こちらが復元された石垣ですが、かつての写真を手掛かりに、なるべく元の姿に近づけて復元されたそうです。
こちらは浜松城の天守です。石垣の部分をよく見ると、下部と上部で石の色が違っていることが判ると思います。天守復元の際に修復されたものと思われますが、他の部分は400年以上も前の姿を残している訳で、その技術力の高さに脱帽です。
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