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2015年12月 7日 (月)

あかつき姿勢制御用エンジンで金星軌道に投入開始

金星探査機あかつきが、本日午前8時51分、故障したメインエンジンではなく出力の小さな姿勢制御用エンジンを20分間噴射して減速、太陽の周りを回る軌道から金星を回る軌道に移行するミッションを行ないました。噴射は午前9時11分頃には終了している筈ですが、現時点でミッションが正常に行われたかどうかの発表はありません。また、軌道投入に成功したか否かについても判明するのは9日になる模様です。

2010年に打ち上げられたあかつきは、当初2010年の今日12月7日にメインエンジンを噴射して金星への軌道に投入される予定でしたが、機器の故障によって短時間で噴射が終了してしまい、金星とともに太陽を回る軌道を飛行していました。残された燃料を有効に使い、金星軌道への可能性を探ったところ、5年後の今日、金星と会合する機会を捉えて逆噴射を行なえば軌道投入が可能なことが分かり、軌道変更に向けて準備が進められて来ました。

過酷な環境下での宇宙飛行にはトラブルがつきもので、初代の「はやぶさ」は苦難の連続に見舞われました。また、古い話ですが有人宇宙船での月面着陸を目指した米国のアポロ13号では燃料電池の爆発事故により機械船が損傷し、月着陸船を使い地球に帰還すると言う、映画さながらの綱渡りで無事生還するドラマもありました。

通常なら機器の故障により、ミッション打ち切りで終わってしまうところですが、何とかミッションを継続しようと、わずかに残された可能性にかける関係者の熱意には本当に敬服します。軌道投入の成功を祈っています。

PS: 9時23分に噴射が無事終了した信号が受診されたようで、軌道投入成功は間違いなさそうです。後は正確な観測による実際の周回軌道の特定が待たれます。

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