リトアニアが杉原千畝の偉業を学校で教育
リトアニア駐在領事の杉原千畝氏がナチスの迫害を逃れたユダヤ人に対し、本国の訓令に反して6000人にも上る手書きのビザを発給したことに対して、日本のシンドラーとして世界から高く評価されています。リトアニアは杉原氏の偉業に対し、彼が現地を離れてから75年を迎えた昨年、杉原の業績を称える記念行事を思い出の地、カウナスで行なっています。
本日の朝日新聞Web版によれば、そのリトアニアでは杉原氏の命のビザに対して学校教育でその偉業を讃える授業を行なっているとのことです。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160110-00000023-asahi-int
杉原氏は外務省の訓令に反し、自身の良心に基づいてビザを発給しましたが、戦後訓令に背いたことで外務省から退職を強要されました。のみならず、彼のビザによって命を救われ、イスラエルに渡ることができた人々が感謝の念から日本の外務省に恩人の杉原氏(杉原氏は千畝の発音が外国人には発音しにくいからとSENPO SUGIHARAと名乗っていたそうです)の消息を訪ねた際に、そのような人物に該当する者はいないと門前払いをしていました。その当時、外務省に杉原姓の人物は3人しかおらず、リトアニアに駐在したのは杉原氏しかいなかったにも関わらずです。まさに害務省の名にふさわしい振る舞いです。
今日彼の業績については広く世界に知られており、リトアニア政府の今回の措置もそのような中で行なわれたものだと思いますが、当の我が国で彼の名誉が回復されたのは、彼の死後14年後の2000年になってからのことでした。
卓越した語学力を駆使して情報を収集、分析した彼のような有能な外交官は以降輩出されておらず、軍部が国を牛耳っていたあの時代に、国家の枠を超え、自身の不利益を承知で人道的な配慮を優先させた彼の業績については国家としてもっと取り組むべきだと思いますが、未だわが国では教科書などにも取り上げられることも無く、母国としての対応は恥ずかしい限りです。
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コメント
相当前に杉原千畝に関する書籍を読んだ記憶
があり、名前は知っていました、映画にもなったように記憶しています。同感です
投稿: wasabi | 2016年1月12日 (火) 16時55分
wasabi さん、コメントありがとうございます。
杉原千畝氏については過去にテレビドラマ化されたほか、昨年唐沢寿明主演で映画化されました。当時三国同盟でドイツと友好国であった我が国の外交官として、外務省の訓令よりも自身の良心に基づいた行動を取った杉原氏は、義を見てせざるは勇無きなりを身をもって実践した、まさにサムライと呼ぶにふさわしい人物だと思います。
その杉原氏について、迫害を逃れることができたユダヤ人が日本の外務省に消息を尋ねた際、該当する人物はいないと冷たく回答したそうです。
かつてテレビで取り上げられた際には、杉原氏が千畝(ちうね)の発音が外国人には難しいことから音読でセンポと名乗っていたので、外務省でも判らなかったと解説していました。当時はそれを鵜呑みにしてしまいましたが、後日当時外務省に杉原姓は3人しかいなかった事実を知り、外務省の悪意に愕然としました。
外国の学校が授業で取り上げてくれるほどの偉業をなした人物に対する我が国の冷淡さについて憤慨していましたので、ニュースを取り上げる形でこのことを書かせて頂きました。
草の根レベルですが、一人でも多くの杉原氏のファンを増やせたらと思っています。
投稿: 雨辰 | 2016年1月12日 (火) 19時05分