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2016年1月16日 (土)

廃棄カツ横流し事件に見る帰属意識

カレーのチェーン店を展開するカレーハウスCoCo壱番屋が、異物が混入したとして産廃処理業者に廃棄を依頼したビーフカツが、産廃業者から食品業者に転売された事件が発覚したのはCoCo壱番屋のチェーン店のパート従業員の女性が、本来ある筈のない自社の商品が一般のスーパーマーケットで販売されているのに気付いたことからでした。

パート従業員がこのことを職場の上司に報告したことから、CoCo壱番屋本社が事実関係を確認して不正に流通している事実が発覚しました。CoCo壱番屋は直ちにこの事態を公表しましたが、パート従業員が発見してからわずか2日後のことでした。

今回の事件では、産廃業者から食品業者に転売された時点でビーフカツ30枚が1000円だったと言うことですから、1枚が33円になります。通常販売されている牛肉は、外国産の物でも100グラム100円以下と言うことはありませんから、破格と言うよりも正規の商品ではありえない価格です。普通の感覚であれば、こんなに安いのには何かある筈に違いないと思うのですが、そのまま売り払ったのは出所を把握した上でのことでは無かったかと思われてなりません。

それにしてもパート従業員がこれはおかしいと感じて上司に打ち上げ、上司がそれをCoCo壱番屋に報告し、それをCoCo壱番屋が重く受け止めて直ちに調査に入ったことは特筆すべきことだったと思います。もし、チェーン店がパート従業員をただの使い捨て労働力として扱っていたなら、わざわざ上司に打ち上げることはしなかったかも知れません。パート従業員であっても自身が働く職場に誇りがあったからこそ、今回の行動があったのではないでしょうか。帰属意識と言う言葉が風化しつつあるように感じられますが、チェーン店のパート従業員にも帰属意識を持たせたCoCo壱番屋の経営については称賛に値するのではないでしょうか。

Photo

ビーフではありませんが、さる人気店のトンカツです。

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コメント

お久しぶりです。
ブログですが、再開はいつになるかわかりません。普通に旅は続けていますが。GO HOME WALKは東京日本橋を起点にし、ついに六甲を越えて兵庫県の有馬温泉まで到達しました。
FacebookとTwitterでは色々とつぶやいています。

あっしは日本最大の公共企業で働く非正規労働者です。企業への帰属意識を語るのも大いに結構でござんすが、それならば彼らの仕事に見合う給料をくれんかい、と言いたいです。最低賃金時給1500円くれたってバチは当たらないでしょう。

国家、組織、企業…人間は社会的動物ではありますが、あらゆる集団への帰属の強制を押し付ける昨今の風潮には苛立っています。大学入って最初に就職した企業でパワハラ喰らって辞めた身には。特に。

投稿: 出がらし紋次郎 | 2016年2月18日 (木) 21時58分

出がらし紋次郎さん、コメントありがとうございます。

企業への帰属意識は強制できるものではないと考えています。もし、帰属意識を強制する企業があれば、現在問題となっているブラック企業です。

私がこの記事で言いたかったのは労使がWin、Winの関係であるのが望ましい。CoCo壱番屋の労務管理の実態について知り得る立場にはありませんが、少なくともパート従業員が帰属意識を持つほどには、雇用条件が考慮されていたと考えて良いのではないでしょうか。

昨今、大企業が決算で最高益を更新していますが、従業員に利益を還元しない限り、デフレスパイラルは改善されないと思っています。

投稿: 雨辰 | 2016年2月18日 (木) 22時30分

お言葉でござんすが…
あっしがCoCo壱で働く非正規労働者だとしたら、企業への帰属意識よりもプロフェッショナルとして、きちんと仕事を回す為に不具合を報告しやすがね。低賃金でプロフェッショナルの仕事を押し付けて、そいつを美談にするなよ、と言いたいんですがね。

持論ですが、全ての人は、自分と大切な人間の為に「しか」生きていないもんじゃござんせんかね?いつの時代もそうですよ。

こいつも参考になすっておくんなせえ。
http://togetter.com/li/946553

投稿: 出がらし紋次郎 | 2016年3月 9日 (水) 06時35分

出がらし紋次郎さん、コメントありがとうございます。

う~ん話がかみあいませんねぇ。

>企業への帰属意識よりもプロフェッショナルとして、きちんと仕事を回す為に不具合を報告しやすがね。

>低賃金でプロフェッショナルの仕事を押し付けて、そいつを美談にするなよ、と言いたいんですがね。

この二つは主張が矛盾していませんか?

価値観は人それぞれなので、犯罪や迷惑行為につながらない限り、多様な価値観は尊重されるべきだと思っています。

投稿: 雨辰 | 2016年3月 9日 (水) 08時41分

ぜーんぜん矛盾してませんが。
企業や組織への帰属意識よりも、ミスしたり不具合を見過ごして叱られて不利益を被るよりも、プロフェッショナルの端くれとして、正直に不具合を申告した方がいいに決まってます。

投稿: 出がらし紋次郎 | 2016年3月11日 (金) 06時49分

出がらし紋次郎さん、コメントありがとうございます。

このブログは意見を交わすことは歓迎しますが、論争するのが目的ではないので、この件についてはこれで打ち切りとさせてください。

この記事の趣旨は業務外の出来事(自社の業務用途の食品が外部で販売されていたことを目撃)をパート勤務の女性が上司に打ち上げた社内の風通しの良さです。

これが勤務中のことであれば、紋次郎さんのおっしゃる通りだと思いますが、勤務を離れて尚の部分に注目した次第です。

投稿: 雨辰 | 2016年3月11日 (金) 09時02分

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