大分県議にも政務活動費疑惑
年間195日もの日帰り出張をしたとして、政務活動費を不正に請求した野々村元兵庫県議は詐欺罪で公判中ですが、事件を教訓に各地の議会で政務活動費の適正化が行われたと思っていたら、大分県にとんでも議員がいたことが明らかになりました。
問題の議員は自民党政務調査副会長の毛利正徳氏です。毛利議員は2014年度の政務活動費中、調査(視察)旅費名目で245万円を支出したとしていますが、内容が野々村被告とそっくりです。毛利議員は2014年度に276日、66000Kmを走行したとしてガソリン代245万円を請求しましたが、常識的に在り得ません。
まず66000Kmを276日で割ると1日当たりの走行距離が計算できますが、239kmとなります。大分県の地図を南北で最長距離を測定すると116kmです。毛利議員は福岡県境に隣接する北端の中津市在住のため、南の宮崎県境まで往復すれば直線で232Kmとなり、理論上は達成可能ですが、毎回県境まで往復するのはいかにも不自然です。
また、自民党大分県の政務調査副会長ですから、党務の一環と言う見方もできますが、276日を12か月で割ると一か月当たり23日となり、土日を除くと月曜から金曜まで毎日出かけたことになります。大半は地元中心となるはずですが、そうすると近距離のはずで、走行距離が不自然です。ちなみに2014年の大分県議会の本会議開会日数は24日間ありました。これだけ活動していれば個人のHPでPRすれば良さそうですが、ネットへの発信もなく、毎日のようにどこへ行っていたのか不思議でなりません。
一般常識として視察をすれば、その結果について報告書を作成すると思いますが、どうやらそのようなものも公的に確認できません。通常であれば視察を行なった翌日には報告書を作成し、視察目的に対しての成果を明らかにしなければ視察の意味がありませんが、報告書の作成もせずに、連日のように闇雲に視察を行なうことは極めて不自然です。
また今回の疑惑の原点と考えられるのが調査旅費規則です。大分県議会では領収書なしで、距離1Km当たり35円を支給していますが、とんでもなく高額です。ガソリン価格を120円、燃費を1リッター当たり10Kmで計算しても1Km当たり12円です。ガソリン代を150円としても15円で、差額が1kmで20円も発生します。毛利議員の主張通り239Km走行すれば、4780円が実費とは別に合法的に懐に入ってしまいます。これでは架空に計上して不正受給しようと不正を誘発してしまいます。
我が静岡県でも交通費に領収書は不要となっているようですが、実際に支出した証拠を添付するのは公金の支出に当たっては当然のことです。領収書や利用明細の添付を義務付けるとともに、調査旅費を支出するに当たった活動についての報告書の提出も必要なのではないでしょうか。
本文とは全く関係ありませんが、大分県にあるもう一つの竹田城とも呼ばれる豊後竹田城跡です。
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