熊本地震あれこれ
地震域の拡大により避難所に非難をしている人の数が20万近くに上っています。これ以外にも自主的に避難している方もいますので、この地域で被災した人数は相当な数となります。このような中、被災者への救援物資の配布が十分でないと言う問題が浮上しています。
これまで多くの災害を経験し、避難所への物資輸送については多くの経験があるにも関わらず、相変わらずこうした問題が起きてしまうのは大変残念です。支援物資の輸送・配布方法については災害ごとに総括し、次に災害が起きた時に迅速な活動ができるよう総務省などで、マニュアル化して、各自治体に伝達しておくことが望ましいのではないでしょうか。
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政府は物資輸送の改善のため、米軍の協力の申し出を受け入れて普天間からオスプレイ4機が岩国に飛来していますが、このことに対して批判めいた言動をする人がいますが、論外です。オスプレイでなくともヘリで空輸は可能との主張ですが、岩国から熊本までオスプレイで拠点間輸送を行ない、各避難所間の輸送にヘリを使えばよりきめの細かい輸送が可能です。高速道路の損傷が大きく、物資輸送の所要時間が長くなっている現実をみれば、想定した時間に輸送が可能な空輸を重視するのは当然です。
仮にそこに政治的な思惑があったとしても、実働で得られたノウハウを次回の救援活動に生かす絶好の機会と捉えるべきです。
陸上自衛隊のUH-1ヘリコプターです。物資や人員の輸送に当たります。
オスプレイがなくとも空輸そのものは可能ですが、オスプレイがあることでより多くの物資が運べるのであれば排除する理由はありません。まずは被災者全員に安定的に食料や生活物資が行き渡る体制を整えることが大切です。
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公共施設の倒壊問題について調べてみました。熊本市近隣の宇土市の市役所が地震によって大破し、全面的に立ち入りが禁止されていますが、このことは昨年から懸念されていたようです。耐震診断の結果、安全の目安とされる構造耐震指数のIs値が一般的な建物に求められる0.6の半分以下であることが判り、立て直しが検討されていました。市役所など、災害時に拠点となる施設についてはIs値0.9以上が望ましいとされますから、いかに宇土市役所の建物が脆弱だったかが判ります。
1995年に起きた阪神淡路大地震の際、ビルが倒壊して耐震性が問題となりましたが、なぜ今日までこの問題が放置されたのか残念でなりません。おそらく財政的な問題が大きかったのではないかと推測しますが、それを見逃してきた国交省や総務省の責任も問われなければなりません。
総務省が昨年3月時点で行なった調査では、防災拠点となる公共施設の耐震化率は88.3%でした。年々数字が改善されていることは評価できますが、まだ全体の12%で耐震性が不足していることは問題です。もし、次の災害がその12%の施設がある地域で起これば、被害をより大きくしてしまう可能性があります。
防災については、やるべきことが多くありますが、人命に係わる問題である以上早急に改善されることが必要です。
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