登山者に痛手、ガソリン・灯油が電車内持ち込み禁止に
昨年の走行中の新幹線車内での放火事件を受け、JR及び私鉄各社は今月28日から電車内への液体燃料の持ち込みを禁止することになりました。これまでは手荷物の規則で3Kgまでのガソリンや灯油の持ち込みが認められていました。
現在では屋外での炊事にはカセットコンロや登山用のガスストーブ(コンロのことです)が広く使われていますが、かつては器具やガスの性能が低く、特に冬山ではガソリンを使用する登山用ストーブが広く使われていました。雪山では低温になるため、以前の器具ではガスが上手く気化せず、厳冬期では使い物になりませんでした。また炊事や飲用の水を雪を溶かして作るため、多量の燃料が必要になりましたが、ガスカートリッジを数多く持つことはザックのスペースを取ってしまうことになりました。
その点ガソリンは引火点が低く、どんな低温下でも着火強い火力を発揮してくれ、燃料も一つのボトルや缶で済みますので、スペースの点でも有利でした。しかし、その後ガスの配合や器具の改良によってかつての欠点が克服されたことによって、最近ではほとんどの登山者がガスストーブを選択するようになっていました。
しかし、今日でも長期間入山する場合など、荷物をコンパクトにする必要がある場合はガソリンストーブの優位性は残っており、燃料を随時補給できることも利点で、未だに根強い人気があります。今回のルール改正により、電車を利用する場合には液体燃料のストーブは使用できなくなってしまいます。テロ対策として理解できないことはないのですが、車掌預かりや持ち込みの事前許可制などにより、登山用燃料持ち込みの余地を残して欲しかったと思います。
ガソリンストーブの写った写真を探したら、こんな写真しかありませんでした。スノーピークのギガパワーWGストーブで青い矢印がストーブ本体です。
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