熊本城修復問題
熊本大地震は「余震」の大きさや回数も少し落ち着いてきたような印象ですが、このまま終息に向かって欲しいところです。被災地の復興も始まり、高速道路の開通や九州新幹線の運転再開はその象徴として喜ばしい限りです。一方で、これまで被災が伝えられながら、伝えられていなかった熊本城内部の状況も明らかになって来ました。想像以上に石垣の崩壊が激しく、結果としてその上に建っていた構造物が損傷しています。熊本城を管理する熊本市は修復を行なう以降ですが、多くが重文に指定されているため、文化庁の許可が必要となります。
これは大変厄介で、石垣と共に崩落した櫓なども勝手に処分することはできません。石材と木材、瓦などを分別して修復の可能性や保存について検討することになると思われます。5年前の東日本大震災で被災し、石垣が崩壊した小峰城のある白河市に熊本市が相談したところ、まず現場保存をするようにとのアドバイスを受けたそうです。
修復中の小峰城の石垣。撮影2015年4月。
修復された石垣。奥の石垣下部に新しい石材が目立ちます。
以前の写真を手掛かりに、元の石材に基準となる線を引き、かつての姿に近づくように石積みを行なったそうです。
被害を受けなかった、そのままの石垣。2枚目の写真の石垣の積み方と大きな差異がないことが判ります。
小峰城の石垣修復完了は2018年の予定だそうで、丸7年かかることになります。熊本城の場合、10年以上は必要とも言われていますが、被害の規模の大きさからどれだけの年月が必要かは今後の詳しい調査を待ってのことになりそうです。
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