サミットをサポートするレーダー基地
先ほど自宅上空を、聞き慣れないエンジン音の航空機が南下して行きましたが、今日も雲がかかっていて機体の確認ができませんが、おそらくE-2Cだったのではないかと思われます。
今日からサミットが開幕しましたが、西側主要国の首脳が一堂に会するので、最高レベルの警備が行なわれています。会場の賢島へは橋を使うか船舶での移動となりますが、いずれも厳重な警備が敷かれているので、関係者以外は入場できません。残る空からの接近は航空自衛隊が地上と上空からレーダーで監視しています。
それでは実際にどこにレーダーが設置されているかを見てみます。まず最初はお膝元の三重県です。津市の西側にある笠取山(842m)の山頂近くにJ/FPS-3Aレーダーを設置した笠取山分屯基地があります。笠取山のレーダーは元々はJ/FPS-3でしたが、弾道ミサイル防衛のため、能力向上の改修をされてJ/FPS-3Aとなっています。笠取山レーダーは主に伊勢湾から遠州灘方面を睨んでいますが、浜松基地に配備されている弾道ミサイル防衛用のPAC-3はこの笠取山からの情報に基づいて迎撃態勢を取るものと思われます。
その南にあるのが和歌山県串本市にある串本分屯基地です。串本分屯基地のレーダーは紀伊半島の東端に突き出た位置にある大森山(171m)の南斜面に設置されたJ/FPS-6SとJ/FPS-20Sの2種類のレーダーの組み合わせです。元々駐留米軍が開設した基地でしたので、米国製の古いタイプのレーダーとなっています。今後は最新鋭のJ/FPS-7に換装される見込みですが、時期については未定です。太平洋南方から伊豆諸島方面を監視しています。
一番東側にあるのが静岡県御前崎市にある御前崎分屯基地です。御前崎分屯基地は太平洋に突き出した海抜40m程の岬の上にあり、J/FPS-2レーダーが設置されています。先日中谷防衛相がサミット警備に当たる浜松基地を視察に訪れた際には、この御前崎分屯基地にも足を延ばしています。
御前崎灯台の上から見た御前崎分屯地のレーダードーム。海に面している好位置にあり、房総沖から紀伊半島にかけての太平洋上空を睨んでいます。
入り口付近から見たレーダードーム。発電関係でしょうか地下に機器が設置されているようです。
それぞれのレーダー域はかなりの部分がオーバーラップしていますので、万一トラブルで停波するようなことがあっても十分他のレーダーでカバーすることができるのではないかと思われます。
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