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2016年6月 9日 (木)

権力者の執着

スズキの鈴木修会長が燃費不正問題の責任を取り、CEO (最高経営責任者)を辞退すると伝えられ、耳を疑いました。責任を取るのであれば、辞任でなければなりません。辞退とは推挙されたけれど、これを受けないことで根本的に違います。また首脳陣を補佐するために代表取締役会長職に留まるとのことですが、留まるためのポーズとしてCEOの肩書だけを手放したとしか見えません。

後任のCEOには長男の鈴木俊宏社長が就くものと思われますが、修会長が86歳、俊宏社長が57歳であれば、潔く俊宏氏にバトンタッチすべきだったのではないでしょうか。

ここで思い起こされるのがホンダの創業者の本田宗一郎です。本田氏は4輪にも空冷エンジンの搭載を主張していましたが、時代が水冷エンジンに傾いたことを悟ったとして67歳で社長を部下の河島喜好に譲り最高顧問に退きました。また、会社の私物化を嫌って創業を支えた弟弁二郎氏を退社させるなど、経営の透明性に勤めました。

同族・世襲経営のスズキに同じことを望むのは無理でしょうが、最高権力者は常に、己の引き際を心得るべきではないでしょうか。

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