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2016年6月10日 (金)

尖閣接続水域に中・ロ海軍が侵入

日本政府は8日深夜から9日未明にかけ、尖閣諸島の接続水域にロシアと中国の艦船が侵入、それぞれ5時間15分と2時間20分にわたって航行を続けたことを明らかにし、一方的に地域の緊張を高める行為として、9日午前2時に程永華中日大使を外務省に呼び、厳重に抗議しました。午前2時の呼び出しは外交儀礼上は非常識な時間帯ですが、それだけ日本政府が事態を重大に受けた止めたことを表すものです。

中国政府は、これまで同海域に中国海警局の公船を進入させることはありましたが、軍艦を進入させたことはなく、従来の方針を変更する事態となった訳ですが、どうやらこの重大な事態を程大使は知らされていなかった模様です。

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ロシアのウダイロイⅠ級ミサイル駆逐艦、防衛省の資料より

同艦は3月28日に、補給艦2隻を伴って対馬海峡を南下したことが確認されており、今回は母港ウラジオストクにの帰港する航海の途中だったと考えられています。接続海域は軍艦と言えども航行する目的があれば、無害航行する限りにおいて航行が認められていますが、同海域を通過する必然性はなく、ロシア海軍が我が国の哨戒能力を確認するために、敢えて同海域を通過したものと考えられます。

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中国のジャンカイⅠ級フリゲート艦、防衛省の資料より

今回、何故中国の艦船が接続水域に入ったのかは不明ですが、ロシアの艦船を海自の護衛艦はたかぜが監視のため追尾していたと見られ、これを領有権を主張する中国が、海自の領海警備行動と捉え、自国の権利を主張するために、ロシア艦とはたかぜを更に追尾した可能性があります。ロシア艦が接続水域を抜けたのとほぼ同時刻に、中国フリゲート艦も抜けていることがこのことを裏付けていると見ることができます。

今回の事態は、我が国が周辺海域を常時監視しているのと同様、中国もまた同様に尖閣周辺を監視していることが裏付けられました。しかし、その一方で我が国の反応に対してロシア大使館が、我が国領海に侵入する意図はなかったとツイッターで表明したことは、その後、自国外務省と協議するとして現在は取り消されていますが、ロシアが尖閣諸島を日本の領土として認識していることの証であると考えられ、今後の推移が注目されます。

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