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オニヤンマ

夏になると見かける物のひとつにオニヤンマがありました。かつてはそこら中で見ることができましたが、環境の悪化とともに見かける回数は減ってしまい、自宅近くの生垣に囲まれた、廃屋の横の薄暗く狭い道路が唯一の場所となってしまいました。

オニヤンマと言うのはお気に入りの場所が決まっているようで、ある場所で空中に漂いながら蚊などの獲物を待ち構えているので、一時いなくなっても再びその場所に戻って来ます。従って、その場所さえ判れば比較的簡単にいつでも姿を見ることができた訳です。

ところが、長らく放置されて密林のようになっていた廃屋が解体されて、宅地として木々がすべて撤去されてしまいましたので、オニヤンマが潜んでいた暗がりは消えてしまいました。

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解体途中の廃屋。生えるに任せていた雑木や生垣はすべて抜かれてしまい、現在は分譲用地として生まれ変わっています。

これも時代の流れなのでしかたのないことですが、昨日の夕方のことです。孫たちを呼んで庭でバーベキューをするため、コンロの火起こしをしていると、突然どこからともなくオニヤンマがやって来ました。生憎、テーブルやイスが地面をふさいでおり、気に入らなかったと見えて直ぐに姿を消してしまいましたが、再びオニヤンマが見られたのは大きな喜びです。来年また見られる保証はありませんが、できれば自宅周辺で見かけたいものです。

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海外協力隊、バングラから一時撤収

バングラデシュで活動する、国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊とシニアボランティアが22日までに同国から撤退したことが明らかになりました。

社会インフラの整備が遅れているバングラデシュには、昨年10月時点で68人の隊員が活動していましたが今月1日のイタリアレストラン襲撃事件で7名の犠牲者を出し、治安が悪化したことから順次帰国していました。そして最後まで現地にとどまった8名も22日に帰国したものです。

この事件の余波で、バングラデシュ政府が7月下旬に予定していた日本の政府開発援助(ODA)による総事業費が7000億円に上る最新鋭石炭火力発電所建設など大型プロジェクトの最終入札を延期する決定をしており、同国のインフラ整備が大きく立ち遅れる見込みです。

このような開発援助の停滞はテロリストにとっては思うつぼかも知れませんが、隊員は格好の標的とされてしまうので現地での安全が確保できない以上仕方ありません。早期に同国自身の手で、隊員たちの安全を確保する体制を整えてくれるのを待つしかありません。

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衣食足りて礼節を知るとの言葉がありますが、どんな高邁な主張よりも人々が安心して暮らせる環境を実現することが最優先だと思います。

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大麻の危険性

相模原大量殺人事件の容疑者が、大麻の尿検査を拒否していると伝えられています。容疑者は以前、強制措置入院させられた際に大麻の陽性反応が確認されており、拒否の原因として大麻を常習していたことを秘匿したいことが疑われます。

大麻については無害論を主張して合法化を唱える人がいますが、どうも無害とは言い切れないどころか、脳に深刻な影響を与える可能性があるようです。以下は大麻が統合失調症のリスクを高めると主張している精神科医のブログです。これによれば薬物や大量のアルコール摂取が脳に影響を与えることが判ります。残念ながら出典が明記されていないので、門外漢には信ぴょう性の判断が付きません。

http://blog.livedoor.jp/beziehungswahn/archives/31936460.html

そこで、何か公的機関の資料がないか調べたところ、大阪大学が大麻の有効成分であるカンナビノイドが脳の神経回路に障害を与える ことを研究で突き止めた記事を見つけました。

http://news.mynavi.jp/news/2016/06/30/421/

カンナビノイドが脳の神経回路に障害を与え、それが統合失調症を誘引したとすれば、薬物常習者が異常行動を起こす理由が判るような気がします。ただ、今回の事件との因果関係は不明であり、責任能力については今後争点化するものと思われますが、素人が判断を下すことはできませんので、推移を見守りたいと思います。何にしても無邪気な大麻無害論については重大な疑義が生じていますし、医療関係者を除いて一般人が所持することは法律で禁じられていますので、社会から一掃しなければなりません。

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植物は我々を癒してくれる存在ですが、毒の成分を持つものも少なくありません。安易に手を出さないように気を付けたいものです。

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相模原大量殺人事件

叔母が他界し、人の死に対してナーバスになっている時にとんでもない事件が起きてしまいました。容疑者の心の闇については、恐らく本人自身も判っていないのかも知れませんので、今の段階でとやかく言っても仕方ないのかも知れませんが、仮に精神を病んでいたとしても決して許されるものではありません。堂々と裁判に臨み、刑に服すことを望むのみです。

今は犠牲となった方々のご冥福をただただ祈るのみです。

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叔母を野辺に送る

ここ数年は寝たきりの状態で介護施設に入所していた叔母(父の妹)が101歳で亡くなりました。今春見舞った時は、意識もあって呼びかけにも反応してくれましたが、一か月前から生命活動が低下し、命の炎が燃え尽きてしまいました。

叔母は親族の最高齢で、95歳くらいまでは身の回りのことも自分ででき、健康での長寿を喜んでいましたが、やはり高齢に伴い徐々に健康を損なってしまいました。父の兄弟は夭折した人が多く、父と叔母二人が成人しましたので、三人兄妹として親交を続けていました。父が他界してしまってからも、法事や新年会で我が家を訪れてくれました。私自身も人生の残り時間が気になる年齢になってしまいましたが、とても叔母の年齢まで生きられる自信はありません。

長年の思い出に感謝しつつ、叔母の旅立ちを見送りました。

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国連平和維持活動への中日新聞の問題視に疑問

今朝の中日新聞(東京新聞)の社説に、PKOに参加する自衛隊が相手国政府の軍隊から攻撃された場合に、反撃するのは憲法に違反すると主張していますが、訳が判りません。以下は憲法の前文の抜粋です。

われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

この前文で国際平和に貢献することを謳っており、PKOに参加することは国家の理念として当然のことです。そしてPKOを派遣する当事国は、民主主義が未発達で強権を発動する独裁者が君臨することが良くあります。現在問題になって南スーダンもその一つです。南スーダンでは反政府勢力ばかりか、大統領派が軍隊を使って副大統領を抹殺しようと内乱の一歩手前の状態となっています。

社説は政府軍相手に攻撃を加えるのは、海外での武力行使に該当するので憲法違反ではないかと問題視しています。しかし、憲法が謳っている国際平和実現のために現地に派遣されている自衛隊が、攻撃されているのに反撃できないと考えるのはおかしな話です。国際法上の生存権から見ても自衛隊に反撃の権利があるt考えるのが妥当です。

そもそも、自国の治安の安定のために派遣されたPKO部隊に対し、当事国の軍隊が攻撃すること自体がおかしな話で、正当性がありません。PKOの任務に就く部隊に対する無法な攻撃に対し、防御のため反撃するのは当然の権利です。社説は憲法に殉じて自衛隊のPKO部隊は手出しせずに殺されても仕方ないと言っているようにとれますが、論理矛盾としか思えません。

PKO部隊に危険が及ぶ時点で、PKOの前途は危ういと考えますが、かと言って撤退してしまえば、市民への虐殺が再び繰り返されるのは目に見えています。平和は武力によって作られ、守られる現実を受け入れなければなりません。

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「[ポケモンGO騒動」に?

スマートフォンを使い、現実の風景の中にポケモンのキャラクターを見つけるゲームアプリのポケモンGOが海外で大変な人気のようですが、本日ついに日本での配信が始まりました。配信開始がニュース速報で流れるなど、ちょっと驚くような反応ですが、配信に先立って政府から注意が流されるなど、社会現象の枠を超えた騒動になっています。

私自身は、ファミコンの時代からコンピューターのゲームには全く興味がありませんので、どうしてこんなに夢中になれるのかが不思議でなりません。昨年あたりから艦隊これくしょん(艦これ)なども大きな話題となっていますが、まったく蚊帳の外状態です。PCゲームの高度化によってゲーム機やPCが発展するのは良いことだと思いますが、二次元の世界に埋没してしまう人が増えるのは困ったものです。

特にポケモンGOの場合は外を歩く要素が必須なので、ただでさえ「歩きスマホ」の弊害が問題になる中、節度ある行動が求められます。

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真夏の夜の月

暑い日が続きますが、昨夜ふと窓の外を見上げると大きな月が見えました。ここのところ、夜になると雲が出たりで、あまり夜空に関心がありませんでしたが、見事な月なのでカメラで撮ることにしました。今まで75-300ミリ望遠ズームでは何回か月を撮ったことがありましたが、4月に購入した100-400ミリ望遠ズームで撮るのは初めてです。

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夏は水蒸気が多いので、天体の撮影には向かないのですが、試し撮りもかねて何枚か撮ってみました。

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トリミングしたもの。やはり冬場のようなキレのある写真にはなりませんが、こうして写真にして眺めるのもいいものです。

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谷垣氏の不覚

自転車愛好家として知られる自民党の谷垣幹事長が、先週都内を走行中に転倒し、入院したと報じられました。当初は軽いケガと伝えられていましたが、その後脊椎を痛めて手術を受けたとも報じられました。

谷垣氏は7年前にも転倒し、顔面をケガしたことがありましたので、今回もその程度かと勝手に思い込んでいましたが、手術が事実とすれば、かなり厳しい状況のようです。政治家にとって健康面は最大の機密事項のようで、安倍首相の父安倍晋太郎氏も総裁直前にがんを発病しましたが、最後まで病状を隠し、政治活動を続けました。

絆創膏や赤チンで済むようなケガであれば、細かいことまで公表する必要はないと思いますが、谷垣氏は政権与党である自民党の幹事長職にありますから、公人中の公人です。党務に支障が出るような病状であれば、公務復帰の予定や具体的なケガの症状についてある程度公にする義務があると考えますが、いかがでしょうか。

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祇園祭の辻回しが行われている交差点を通過する救急車。進行方向に京都府立医大病院があるため、祭りの行列を縫って走行したようです。人命第一なので、勿論どこからも苦情は出ませんでした。

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京都街角スナップ

昨日、気象庁が九州から東海地方までの梅雨明けを宣言しました。と言っても、当地は今朝は雲が多く、梅雨の延長のような空模様です。

夏の京都は盆地特有のしつこい暑さが特徴ですが、街中に高瀬川や鴨川、白川などが流れていますので、見た目だけでなく涼風を感じることができたりもします。

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山鉾巡行を見るために、5時間近く群衆の中でじっとしていましたので、熱気にうんざりしていましたが、川沿いに歩くと気分が和んで来ます。白川沿いも美化が進んでゴミの類もほとんど見かけなくなりました。

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祇園にて。京都の夏の風物詩のすだれが涼を感じさせます。それにしてもこの静けさを味わえることに感動です。

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ここまで来ると、流石に浴衣姿の女性が目につきます。でもよく見ると、多くはアジア系の外国人だったりします。こちらの方々は日本人のようでした。

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八坂の塔の坂下にて。やはり浴衣姿が絵になります。

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二年坂、いつ来ても京都一賑わう観光地だと実感です。

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そんな賑わう雑踏も、路地を少し入ればこんな風景を楽しむことができます。

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祇園祭2016奮闘編

今回の祇園祭には一眼カメラ2台で臨み、合わせて350枚ほど撮影しました。撮影はRAWで行ないましたので、撮影後にパソコンで1枚、1枚処理が必要です。昨夜帰宅してから必死に処理したのですが、処理が終わったのが深夜1時過ぎ、パソコンの処理に1時間以上かかりますので、後はパソコンに任せて寝てしまいました。

さて、今回は辻回しのハイライト集です。

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先導のパトカーの辻回し?

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月鉾の辻回し、掛け声をかける舞い手の音頭取りも浴衣の裾をはしょって、手拭いで鉢巻をして力が入ります。

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鶏鉾の辻回し、ここも鉢巻で気合を入れています。

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雅な装束で掛け声をかける菊水鉾。

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岩戸山の辻回し、チームワークが見事です。

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船鉾の辻回し。船鉾は重心が高いので、安全に回すのに高い技術が必要です。前祭のフィナーレを飾るにふさわしい辻回しでした。

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祇園祭2016

京都に本格的な夏の訪れを告げるのが祇園祭で、祇園祭が終わると梅雨が明けると言われているそうです。今年は山鉾巡行が日曜日、しかも3連休の中日に当たるということで大変な人出となりました。写真の全部の整理が終わっていませんので、とりあえず終わったものをUPします。

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パトカーの先導で最初の鉾が姿を現しました。警備の警察官が白いパンツ姿なのは、ち直前に雨が降ったからです。幸いなことに巡行が始まる頃にはすっかり上がってくれたのですが、警備に忙しく上着は脱いでも下はそのままの人が結構いました。

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私が河原町御池の交差点に到着したのは午前8時前でしたが、それから長刀鉾(なぎなたぼこ)が交差点に入ったのが10時20分頃なので、およそ2時間半の間ひたすら待ち続けたことになります。まあ、その間にはテレビの取材で2時間ドラマの帝王と呼ばれた、あの人が道路の対面に現れたりと色々ありましたので、それなりに時間が過ぎて行きました。

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交差点での辻回しは一番の見せ場なので、一挙手一投足が観衆の注目を浴びることになります。

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辻回しでは曳手を鼓舞するために音頭取りが前の車軸に陣取り、気合を入れながら扇子で舞って音頭をかけます。

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車輪の下には割り竹のささらが敷かれ、水を撒いて滑りやすくします。

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音頭に合わせ、皆が一丸となって車輪を回します。上手く回すことができると、観衆から拍手が湧き上がります。

最後の船鉾が辻回しを終えたのが12時35分、今年の山鉾巡行前祭が終わり交通規制が解除されました。

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大量殺人時代

フランスのニースで大量殺戮が行われ、類似の犯行が拡散することを心配していましたら、今度はトルコでクーデターが勃発し、最終的に失敗に終わりましたが、それでも数十人単位の死者が出ている模様です。

ISの自爆攻撃では、毎回数十人単位の犠牲者が出ており、人命を何とも思わないかのような事件が続発することに言いようのない怒りを覚えます。私自身数十人の死者などと、簡単に言葉を発していますが、その中の一人一人にかけがえのない人生があった訳で、その他大勢で済ませられる話ではありません。

かつてチャップリンは、戦争によって多くの人命が失われることに怒り、「殺人狂時代」を撮りましたが、今はまさに殺人狂時代そのものです。人類の英知を結集して、憎しみの連鎖を断ち切る努力が強く求められます。

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生前退位

天皇陛下が、体力の衰えを理由に皇位を退く意向であることが報道を通じて明らかになり、国民的な議論を巻き起こしています。これまで、記者会見などを通じて体調面に触れられたことがあり、公務の軽減が叫ばれたことがありましたが、政府は具体的なアクションを起こしてきませんでした。

今回の報道を受けて、国民の多くは支持を表明し国会議員も概ね肯定的に捉えているようですが、政府関係者が「生前退位は憲法上の問題から無理」と話したと報じられました。この報道に対し、政府は具体的に言及していませんが、もしかしたら政権の本音が隠されているのかも知れません。

皇位の継承については現行の皇室典範の第1章の第4条に「天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに卽位する。」とされているため、生前に退位することが認められていません。
また、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」とされていますので、皇太子は男子に限られ、現在の皇太子が即位すれば次の皇太子が空位となってしまいます。

女性天皇を認めれば、この問題はクリアできるのですが、安倍首相は女系天皇に否定的な立場です。故に生前退位を認めてしまうとこの問題に直面することから、敢えて退位を認めず、崩御を待って皇位継承を行ないたいとの思惑があるのではないかと思われます。しかし、その場合でも皇太子問題は先送りされるだけで、根本的な解決にはなりませんので無駄な先送りは許されません。但し、朝日新聞の報道によれば、政府が皇室制度そのものについては検討中であると伝えています。以下引用です。

菅官房長官は14日の記者会見で「政府では、皇族の減少にどのように対応していくかを中心に検討を行っている」と述べた。杉田和博内閣官房副長官のもと、内閣官房の皇室典範改正準備室で従来課題となっていた「女性宮家」創設を含む皇室制度のあり方について検討していることを明らかにした。

悠仁親王の誕生によって皇位継承問題が立ち消えとなっていますが、男性皇族の誕生が神頼みとなっている現状を打開するためにも、生前退位に合わせて皇位継承問題の根本的な解決が必要なのではないでしょうか。

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京都御所、紫宸殿にある天皇の玉座です。

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中国の品格

国連海洋法条約の仲裁裁判所が下した南シナ海の領有権を巡る裁定に対し、中国が国を挙げて反発しています。以下13日付の時事通信記事から引用です。

中国政府は13日、南シナ海をめぐる仲裁裁判の判決が下されたことを受け、南シナ海での中国の主権・権益の主張やフィリピンとの対話解決を訴える白書を発表した。発表した劉振民外務次官は判決について「拘束力がなく無効、違法であり、中国は執行しない。紙くずにすぎない」と改めて批判。「判決に基づいた交渉には応じない」と述べ、フィリピンに対し、判決を棚上げした上で、対話に応じるよう促した。

中国は1996年に国連海洋法条約を批准し、その条約を順守する義務がありますが、仲裁裁判所は国連海洋法に基づく紛争を仲裁する目的で設置されたものであり、当事国どちらか一方の提訴で審理を開始し、当事国双方の同意は必要ではありません。その意味で、今回の裁定を」違法と主張するのは、条約加盟国としてそもそも国際法を守る意思がないことを公言しているようなものであることを自覚しなければなりません。

また、中国は裁定を無効と主張しながら、実は陰で仲裁裁判所の裁判長に個別に接触しようとしたとされていますが、この行為は裁定の有効性を認識しているからこそ、何とか自国に有利な裁定を勝ち取ろうとした活動であったと考えるのが妥当です。以下13日付産経Web版からの引用です。

 仲裁裁判所は昨年10月29日、フィリピンの申し立ての一部について管轄権を認める裁定を下した。この裁定文の中で、当時の駐英国中国大使から仲裁裁判所所長への面会依頼があったと言及。裁判所は2013年11月14日付で、中比双方に「(5人いる仲裁人の)1人だけと連絡をとることを慎むように」とする書簡を送ったと明らかにした。

 裁定文は、中国大使館の代表者から裁判所が複数回にわたり、「非公式な質問を受けてきた」ことも指摘し、これらの行動が裁定に影響を与えないと強調。公平となるよう「立場の主張は、裁判所の全員と先方当事者にも表明されるべきだ」とした。

 英国際戦略研究所のアレクサンダー・ニール上級研究員は、12日付のシンガポールの中国語紙、聯合早報で、中国が仲裁手続きを受理しないよう裁判所に行った工作が、「国際機関に台湾の参加を認めないよう手回しする外交戦術と似ている」と指摘している。

中国がどのような主張をするのかは中国の主権の問題ですが、自国の立場のみを主張し、国際法や相手国の立場を無視し続けることは責任ある国のすることではありません。

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中国の九段線は根拠なしと仲裁裁判所

南沙諸島における中国の傍若無人な領土主張に対し、フィリピンが国際法違反だとして国際仲裁裁判所に提訴していた問題について、12日に仲裁裁判所が判断を下しました。この判断で、中国が主張する九段線で囲った海域について、歴史的権利があるとする中国の主張には法的根拠がなく、「中国が歴史的に、この海域や資源を排他的に支配したとの証拠はない」と断定しています。また、南沙諸島には「島」は存在しないとも明示しました。

国連海洋法条約では121条に定義があり、

  • ・自然に形成された陸地であること
  • ・水に囲まれていること
  • ・高潮時に水没しないこと
  • としています。今回台湾が実効支配している太平島も島ではないと判断されましたが、過去に人工的に盛土されて造成されたと認定されたのかも知れません。いずれにしても、これまで中国が武力によって次々と岩礁を埋め立てて軍事基地化し、自国領土として来た覇権主義丸出しの行為について国際機関が断罪した意義は大きく、中国の独善的で膨張的な外交姿勢が厳しく問われることになります。

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    ちょっと時間がかかり過ぎ

    各国国連PKO部隊が駐留している南スーダンで、大統領派の部隊と副大統領派の部隊が銃撃戦を繰り広げ、双方に150人ほどの死者が発生しています。巻き添えで中国軍の装甲車にも砲弾が命中し、不発弾であったにもかかわらず兵士2名が死亡しました。

    南スーダンには陸上自衛隊のPKO部隊の他、JICA関係者47人が駐在しており、今のところ差し迫った危険はないものの、万一の事態に備えて政府は、航空自衛隊のC-130H輸送機3機を昨夜派遣しました。当面は海上自衛隊の基地があるジブチで現地の情勢を見極める予定ですが、C-130Hは航続距離が4000Kmと短く、また速度も550Km/hと遅いため途中で給油を繰り返しながらの飛行となるため、ジブチ到着は14日になる見込みです。

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    空自小牧基地に配備されているC-130H輸送機です。

    幸い両派は停戦に合意したため、直ぐに戦火が拡大して邦人に危険が迫る状況ではないようですが、安全のためには早期の到着が望まれます。首都にあるジュバ国際空港は、今のところ平穏のようですが、空港への移動の際に銃撃される可能性が考えられることから公表はされていませんが、C-130Hにはこのような事態に備えて導入した武装防護車が積載されているものと思われます。

    先日バングラデシュに派遣された政府専用機のB-747やKC-767空中給油・輸送機であれば無給油で飛べる訳ですから、わざわざC-130H輸送機を派遣したのはそのような事情によるものと思われます。

    ただ、内輪の事情はそうであっても、事態が流動的である以上、到着に何日もかかるのは問題です。準備が間に合わなかったのかも知れませんが、先日量産機が納入されたC-2輸送機を派遣しても良かったのではないかと思います。

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    航続距離が6500KmとC-130H輸送機の1.6倍の距離を一気に飛べるC-2輸送機。

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    永六輔氏が死去

    私の青春時代に大きな影響を与えた人がまた一人この世を去ってしまいました。作詞家、エッセイシスト、そしてマルチタレントとして長く放送の世界で活躍した永六輔氏が、83歳で鬼籍に入ったことが昨日明らかになりました。

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    旅番組の走りとなった「遠くへ行きたい」で日本各地の隠れた名所を知り、同名の番組主題歌を口ずさみながら、まだ見ぬ土地に思いを馳せました。私が旅行や山歩きに興味を持つようになったのは永氏がいたからに他なりません。

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    ♪ 知らない街を 歩いてみたい どこか遠くへ 行きたい

      ・・・・・・・

       夢はるか一人旅      ♪

    私が、一人旅を好むようになったのはこの歌の影響が大きかったと思います。

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    NHKの「夢であいましょう」以降は、もっぱら活動の場をラジオに移し、「誰かとどこかで」は桃屋1社の提供で1967年から2013年まで続いた長寿番組でしたが、晩年は滑舌が衰えたのが感じられ、番組終了時にはその健康状態が大変心配されました。

    私たちの世代に、あまりにも多くの思い出を残して、永さんは本当に遠くに行ってしまいました。

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    参院選に審判下る

    昨日行われた参議院選挙は即日開票の結果、改憲勢力の自民・公明・おおさか維新の各党が改選議席を上回る議席を獲得し、その他の議員を会わせて165議席となって参議院定数の2/3である162議席を上回る結果となりました。これで議席の上では憲法改正の発議に必要な議席を確保できましたので、今後は改憲に向けた動きが具体的に動き出すことになりそうです。

    野党民主党は32議席と、前回の参院選の17議席から15議席を上積みしましたが、改選議席の43議席からは大きく議席を減らす結果となりました。今回の選挙では与党がアベノミクスの継続を前面に出したのに対し、野党側は憲法改正阻止を訴えましたが、選挙後の出口調査の結果では、憲法問題は重視した政策の項目の3番目の順位で13%でしかなく、有権者への訴求力が足りませんでした。

    与党のアベノミクス継続にしても、具体的に何をするのかが明らかにされていませんが、野党の政策も項目の羅列に終わっており、何をどうするかが全く見えてきませんでした。民主党が政権獲得を果たした選挙では、政権交代が重要な争点でしたが、今回は自民党の争点ずらし、争点隠しによって有権者が野党の主張に具体性を感じることができず、接戦を演じながら自民党の後塵を拝する結果となったのではないでしょうか。

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    次の参院選挙は3年後です。各政党及び議員が何を実行し、実行しなかったのか有権者の厳しい目で監視することが大切です。

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    北朝鮮がまたもSLBMを発射

    本日は参院選挙の投票日ですが、前日の9日午前11時半頃、北朝鮮がまたしても国連決議を無視して、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を発射しました。発射は朝鮮半島東側の新補(シンポ)の南東の海中からで、SLBMは空中で点火され上昇しましたが、高度10Km付近で爆発し、発射は失敗に終わった模様です。北朝鮮は4月23日にもSLBMを発射していますが、この時も上空で爆発しており現在までに海中からの発射に成功していません。

    北朝鮮は1992年頃、ソ連崩壊後のロシアから技術者を招聘してSLBMの開発に着手しましたが、SLBMを発射できる潜水艦を保有していませんでした。その後ロシアからSLBMを発射できる潜水艦をスクラップとして購入し、潜水艦の建造技術を学んだものと見られています。しかし、SLBMの配備では先輩である中国でさえ、海中発射に成功するまでに開発から15年を費やしており、北朝鮮が一朝一夕に発射技術を習得したとは考えられません。

    しかし、コールドローンチと呼ばれる圧縮空気でミサイルを海面にに浮上させ、空中で点火することには今回を含めて2回とも成功していますので、ムスダン同様にいつかは長距離飛行に成功するものと思われます。

    北朝鮮の意図としてはハワイやグアムを攻撃可能で、発射のタイミングを秘匿できる攻撃手段を持つことと思われますが、沖合から我が国を狙った場合には発見から迎撃までの対処時間が短くなってしまいますので、奇襲をかけやすくなってしまいます。将来的には対抗上、我が国もSLBMの保有を考えなければならないのではないかと思います。

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    海上自衛隊のそうりゅう型潜水艦。 防衛省の資料より

    現在でも魚雷発射管から発射するハープーン対艦ミサイルを保有していますが、射程が140Kmと短く、速度も亜音速のため弾道ミサイルよりも迎撃されやすいと言われています。

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    中国空軍Y-20輸送機が運用開始

    中国空軍のY-20輸送機が6日に運用を開始したと伝えられています。中国は大型輸送機としてロシア製のIL-76を運用していますが、主力戦車である99式戦車を搭載できないことや早期警戒機や空中給油機への転用に関しては自国製が望ましいことから自国開発に踏み切ったものと考えられます。

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    主力戦車である99式戦車(車体重量54トン)の54トンの車体重量は中国の交通インフラへの負担が大きく、有事の際に戦車を移動させるために空輸が必要とされていました。
    Y-20はターボファンエンジン4基を搭載していますが、99式戦車の積載を主目的に仕様を決めたと考えられ、IL-76では積載重量が足りないことからこの点をクリアすることに重点が置かれているように見えます。

    Y-20については、軍用機であることから、その多くが明らかにされていませんが、機体規模がIL-76やウクライナのAn-70に似ており、両者から多くのヒントを得て設計されたものと考えられます。初飛行が2013年1月で2016年7月に運用開始となったことを見ても、技術的問題を極力避けて開発期間を短縮する方針であったことが窺えます。

    日本のC-2が、海外への展開を考慮して民間航空路を利用するために巡航速度を旅客機と同等の890Km/hとしたのに対し、Y-20の巡航速度が630Km/hと大幅に見劣りするのも、高速性を捨てて積載重量の増加に特化したせいと考えられます。

    いずれにせよ、中国が大型輸送機の自国開発に成功したことは、東シナ海で対峙する我が国としては、大量輸送力や早期警戒機、空中給油機の増勢に直面することになり、昨今のスクランブルをめぐる軋轢も一段と増すことになり兼ねませんので、大いに注目が必要です。

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    各党の改憲論

    昨日は時間がなかったので、与野党の憲法改正に対する姿勢について触れることができませんでした。主要政党について、改めてその主張を比較してみたいと思います。

    自民党: 選挙公約をまとめた全14ページのPDFの一番最後に憲法についての
          記載がありますが、積極的にアピールする姿勢はうかがえません。
          主張の要旨は以下の通りです。

    ・国民主権・基本的人権の尊重・平和主義の3つの基本原理は堅持しつつ、憲法改正を目指す。

    公明党: 政策集の冒頭の重点政策に「憲法改正」として取り上げられています。

    国民主権・基本的人権の尊重・平和主義の3原則を守り、必要であれば条項を追加する。

    ・9条については条項の追加で済み、改正は必要ない。

    民進党: 公約集である国民との約束の中で最初に触れられていますが、
          具体的な言及は政策の9、10番目とかなり下位で述べられて
          います。主張の要旨は
    以下の通りです。

    ・憲法9条の改正に反対する。

    ・国民主権・基本的人権の尊重・平和主義を堅持し、「新しい人権」「統治機構改革」などに対応した未来志向の憲法を構想する。

    共産党: 公約の冒頭で触れられています。主張の要旨は以下の通りです。

    ・日本国憲法の前文を含む、全条項を守り、平和的民主的条項の完全実施を進める。

    ・憲法改正に反対する。

    と、まあ、こんな具合です。憲法改正を党の基本政策に掲げている自民党が、まるで地雷のように政策の一番最後に潜り込ませているのは姑息と言われても仕方ありません。

    民進党も同様に政策順位の9、10番目と後の方で述べられています。憲法9条の改正には反対していますが、それ以外の条項では改憲を目指すかのような主張をしています。ただし、具体的にどうしたいのかについての言及がなく、抽象論の域を出ていません。

    公明党は条項の追加による改憲は容認する立場です。

    共産党は現行憲法堅持の姿勢を貫いていますが、憲法9条に関連する自衛隊については違憲としながらも、その存在を認めています。現行憲法では戦力不保持を謳っていますが、世界有数の装備を持つ武装集団である自衛隊の存在を合法とするのなら、憲法の形骸化を自ら認めているように感じられます。

    諸外国を見た場合、フランスが戦後27回、ドイツが57回、イタリアが15回など結構な回数で憲法改正をしています。我が国が、憲法制定来1度も改憲をしていないのは、やはり異常なような気がします。

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    ニャンコも選挙の結果に注目しているかも?      

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    改憲勢力が2/3を上回る勢い

    参院選挙も終盤を迎えていますが、いまいち盛り上がりに欠けています。今回の選挙では、野党側が団結して統一候補を立てるなど、本来なら与野党激突となっていい筈ですが、野党側に全く勢いが感じられません。このような中、各種メディアの世論調査で与党側有利の調査結果が出ており、憲法改正に前向きな政党を加えると、改憲に必要な参院での2/3を上回る勢いであることが明らかになっています。

    もちろん、事前の調査結果と実際の投票結果が違うことは、先の英国でのEU離脱の国民投票を見るまでもなく良くあることなので、結果については流動的ですが、それにしても改憲が与野党とも争点化していないのはどうしたことでしょうか?もし、選挙後に突然改憲の話が出ても、それなら選挙の時にもっとはっきりして欲しかったとの声が出てくるような気がします。

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    暑い~

    梅雨空がどこかへ行ってしまったような暑い日々が続いていますが、昨日は全国的に猛暑日となった所が続出したようです。当地浜松も例外ではなく、市の中心部の中区で36.4℃と今年一番の暑さとなりました。

    浜松の場合、中心部よりも北部の山間にあって周囲を山に囲まれた天竜区二俣や佐久間などが猛暑を記録を記録することが多いのですが、市の中心部で猛暑を記録するのは珍しいことです。今日は昨日のようなことはありませんが、7時前から29℃オーバーなのでワンコはぐったりとしています。30℃を超えたらエアコンを入れようと思っていますが、微妙なところで粘っています。

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    今年はどうやら空梅雨のようです。

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    注意喚起しただけの外務省

    バングラデシュの首都ダッカで起きたレストラン襲撃事件は痛ましいかぎりですが、事件を防ぐことはできなかったのか調べてみました。

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    自衛隊の軽装甲機動車。バングラデシュは国連PKOに派遣する要員数が世界で一番多い国ですが、国内の貧富の格差が大きく、与野党の政治勢力が激しく対立していることもあって治安が悪化していると言われています。

    バングラデシュでは昨年10月に在留邦人の男性(66歳)がリキシャで移動中に、オートバイに乗った複数の男からピストルで銃撃され死亡する事件がありました。この時日本大使館は危険情報を出して、危険レベルをレベル2の不要不急の渡航の中止勧告とし、移動にはリキシャを使わず自動車を使うよう勧告し、この危険情報は現在も継続しています。

    また「IS」によるラマダン中のテロ事件の予告がされたことに基づき、海外渡航者に向けて「イスラム過激派組織によるラマダン期間中のテロを呼びかける声明の発出に伴う注意喚起 」を発し、ラマダン中の金曜日にテロ事件が多発していること、テロに遭遇しないために不特定多数が集まるレストランやデパートへの訪問は十分注意するよう呼び掛けていました。

    今回の事件は7月1日の金曜日、外国人多数が集まるレストランが襲撃されましたが、注意喚起文書が指摘する危険な条件そのままの状況で発生しています。事件現場は日本大使館や各国大使館に近く、比較的治安のよい場所と考えられていたようですが、まさに油断があったとしか思えません。

    そもそも、昨年の銃撃事件ですが、その5日前にもダッカでイタリヤ人がバイクに乗った複数の男に銃撃され死亡する事件があり、双方の事件ともISバングラデシュ支部を名乗る人物から犯行声明が出されていました。この事件を受けて危険情報が出され、現在も継続しているのですが、果たしてこれが機能していたのか、はなはだ疑問です。

    今回の犠牲者は外務省所管のJICA(独立法人国際協力機構)関連企業の社員たちでした。つまり、外務省とはかなり近い立場にいた関係者にも関わらず、テロの危険が高いとされるラマダン月の金曜日に、外国人が多く来店するレストランで8人が会食することを容認する状況判断がなされていたのではないかと言うことです。卑劣な実行犯を非難することは当然ですが、現地政府の治安維持能力やイスラム過激派の活発化する活動に対し、日本大使館が真剣な危機感を持っていたのか、極めて疑問に思えます。

    危険情報や注意喚起はされていましたが、あたかも「落石注意」の看板と同様、注意して通行してくださいと言っているだけで、実効性がありません。昨年3月にはチュニジアの博物館で外国人観光客ばかりを狙ったイスラム過激派の襲撃事件があり、日本人3人を含む23人が死亡していますが、またも同じことが繰り返されてしまいました。外務省の現地に関する情勢判断や危険に対する分析力はテロに対して全く無力であり、早急な改善が必要です。

    今回の事件で亡くなられた2名の女性の内、酒井夕子さんが浜松市の出身であることが判りました。改めてご冥福をお祈りいたします。

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    高速走行の危険

    テスラ社の自動運転での事故ですが、やはり側方からの進入に対しては未対応だったようです。この辺はメーカーが想定する使い方と、ユーザーが求める仕様との間にボタンの掛け違いがあったようです。自動ブレーキや自動操舵機能が搭載されていれば、ユーザーは勝手に自動操縦が可能と思ってしまいますが、現実はそんなに甘くありません。

    自動運転の実現については、一般道よりも高速道の方が実現し易いと言われていますが、最大の問題点が今回事故が起きた合流点です。私自身も高速を運転していて、危険だと思われるのは合流点です。走行車両がつながって走行しているのに、合流車両がいきなり本線に割り込んで来たり、走行車線の車が合流車両を避けようと突然追い越し車線に進路変更してくることはしょっちゅうです。

    私の場合は、カーナビの機能で事前に合流点があることを通知してくれますので、対策としてIC手前ではあらかじめ追い越し車線に車線変更をしておき、合流によるトラブルを避けるようにしています。

    今回のように、側方の車が安全確認をせずにいきなり進路変更した場合は大変危険です。私自身の経験ですが、トンネル内を走行中、大型トラックにいきなり前方に割り込まれたことがあります。絶体絶命と思いながら急ブレーキを踏んで、かろうじて事故を回避しましたが、もしその時脇見をしていたら恐らく大事故になっていたと思います。

    このようなことを考えれば、安全走行のためには前方のカメラだけでなく、側方の車両を監視する側方カメラの搭載が不可欠だと思われます。今回の事故は各方面に大きなショックを与え、自動運転の今後の指針やシステムの設定に多大な影響を与えることになることは間違いありません。

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    無人運転車で初の死亡事故

    恐れていた事故が起きてしまいました。高速道路を自動運転モードで走行中の米国ステラ社のセダン「Sモデル」が、ランプウェイから進入して来た大型トレーラーと衝突し、運転した男性が死亡したというものです。テスラは前を走行する車への自動追従や自動レーン変更など、運転支援によって初歩的な自動運転が可能となっていますが、運転の責任は運転手にあり、いつでも手動運転に切り替えられるようにハンドルを握っていることを求めています。

    運転手が死亡してしまっていますので、ドライブレコーダーなどの映像がない限り、事故の原因究明は困難が予想されます。一部の記事では当日は晴天でトレーラーの車体がシルバーだったことからカメラが相手車両を認識できなかったのではないかとされ、現場にはブレーキ痕がなかったとしており、テスラのシステムが相手車の存在を感知していなかった可能性があります。

    テスラのセンサーは全て公表されていないようですが、前方についてはナンバープレート下のミリ波レーダーとルームミラーの部分に取り付けられたカメラによる映像によって情報を得ているようです。この位置ですと右から進入する車については、かなり前方の位置関係にならないと検知できないのではないかと思われます。前車の減速などには十分対応できますが、斜め後方から接近する車両の検知について死角になっていたのかも知れません。

    実は自動運での高速道路における合流の問題は日本でも認識されており、十分な車間が確保できない状態で連続的に車が流れているような状況では車が停止してしまい、合流できないケースが少なからずあるようです。このような状況は人間が運転しても難しい場面ですが、安全を優先すれば割り込みのような操作はできませんし、合流を優先すれば本線走行車に事故を誘発しかねません。根本的には車同士でお互いの存在を認識できる信号のやり取りをするシステムが不可欠のような気がします。

    自動運転と言いますと、運転手不在でも目的地に走行可能なシステムを思い浮かべてしまいますが、実現には車の進歩だけでなく、それを可能にする道路環境や交通システムの構築など、超えるべきかなり高いハードルがあることを改めて思い知らせた今回の事故でした。

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    C-2輸送機量産初号機が納入

    防衛省が開発していた次期輸送機C-2の量産初号機が昨日、製造メーカーの川崎重工から防衛省に納入されました。この機体(機体番号68-1203)は2012年に製造が開始されましたが、途中2014年に試作機の強度試験で機体後部のフレーム強度の不足が判明し、設計変更や機体の改造が必要になったことから完成が予定より大幅に遅れていました。それでも今年の5月17日に初飛行を迎え、この日の引き渡しとなりました。

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    飛行試験機の201号機、空自岐阜基地にて。 正式な機体番号は08-1201です。最初の1桁が受領年で201号機は2010年なので0となります。2桁目が登録順位でC-2は全て8となります。3桁目が機種区分で輸送機は1となります。4~6桁が通し番号で201号機が文字通りの1番機です。

    一般の貨物機は、旅客機の座席を取り払った機体を使って簡単に製造することが可能ですが、軍用の輸送機は大型の車両など貨物機とは問題にならない大きさの断面積と床強度、車両を搭載するための後部ランプドアなどが必須であるため、新たに設計した機体が必要です。

    C-2は2010年1月に初飛行していますが、量産移行に6年以上かかったことになり、一部で失敗作と言われたこともありました。しかし、C-2よりも先に開発に着手し、2009年12月に初飛行したエアバスのA-400M輸送機が、プロペラのギアボックスに深刻なトラブルを抱え、当面解決の道筋が付いていないことを見れば、C-2は立派に巣立ったと見てよいのではないでしょうか。

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    C-2はC-1の2倍の搭載量を積んでおよそ1.4倍の890km/hの速度で3倍の距離を飛ぶことができ、増大している海外展開への任務での活躍が期待されています。

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    現有のC-1輸送機。輸送機らしからぬ軽快な機動飛行をすることができ、離着陸時の攻撃回避を可能としています。

    C-2は今年度中にもう2機、2017年度に2機、2018年度に3機が納入される予定となっており、将来的にC-1輸送機の31機を上回る機数が製造されるのではないかと予想されています。

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