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2016年7月14日 (木)

中国の品格

国連海洋法条約の仲裁裁判所が下した南シナ海の領有権を巡る裁定に対し、中国が国を挙げて反発しています。以下13日付の時事通信記事から引用です。

中国政府は13日、南シナ海をめぐる仲裁裁判の判決が下されたことを受け、南シナ海での中国の主権・権益の主張やフィリピンとの対話解決を訴える白書を発表した。発表した劉振民外務次官は判決について「拘束力がなく無効、違法であり、中国は執行しない。紙くずにすぎない」と改めて批判。「判決に基づいた交渉には応じない」と述べ、フィリピンに対し、判決を棚上げした上で、対話に応じるよう促した。

中国は1996年に国連海洋法条約を批准し、その条約を順守する義務がありますが、仲裁裁判所は国連海洋法に基づく紛争を仲裁する目的で設置されたものであり、当事国どちらか一方の提訴で審理を開始し、当事国双方の同意は必要ではありません。その意味で、今回の裁定を」違法と主張するのは、条約加盟国としてそもそも国際法を守る意思がないことを公言しているようなものであることを自覚しなければなりません。

また、中国は裁定を無効と主張しながら、実は陰で仲裁裁判所の裁判長に個別に接触しようとしたとされていますが、この行為は裁定の有効性を認識しているからこそ、何とか自国に有利な裁定を勝ち取ろうとした活動であったと考えるのが妥当です。以下13日付産経Web版からの引用です。

 仲裁裁判所は昨年10月29日、フィリピンの申し立ての一部について管轄権を認める裁定を下した。この裁定文の中で、当時の駐英国中国大使から仲裁裁判所所長への面会依頼があったと言及。裁判所は2013年11月14日付で、中比双方に「(5人いる仲裁人の)1人だけと連絡をとることを慎むように」とする書簡を送ったと明らかにした。

 裁定文は、中国大使館の代表者から裁判所が複数回にわたり、「非公式な質問を受けてきた」ことも指摘し、これらの行動が裁定に影響を与えないと強調。公平となるよう「立場の主張は、裁判所の全員と先方当事者にも表明されるべきだ」とした。

 英国際戦略研究所のアレクサンダー・ニール上級研究員は、12日付のシンガポールの中国語紙、聯合早報で、中国が仲裁手続きを受理しないよう裁判所に行った工作が、「国際機関に台湾の参加を認めないよう手回しする外交戦術と似ている」と指摘している。

中国がどのような主張をするのかは中国の主権の問題ですが、自国の立場のみを主張し、国際法や相手国の立場を無視し続けることは責任ある国のすることではありません。

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