警察の失態、射殺事件容疑者が自殺
29日、和歌山市内で建設会社社員4人をピストルで銃撃し、1人が死亡、1人が意識不明の重体になった銃撃事件の容疑者が、31日夕方にピストルで腹を撃って病院に収容されましたが、2時間後に死亡しました。
警察は容疑者が建物に立て籠もった直後から投降を呼びかけていましたが、容疑者はこれを拒否、自殺をほのめかしていました。現場には和歌山県警の銃器対策部隊や大阪府警のMAAT(刑事部特殊捜査係)が出動していましたが、これらの部隊は説得や突入して犯人を逮捕するのが任務です。今回の容疑者は大型の自動拳銃2丁を持ち、パトカーに4発を発射したり、立て籠もり後も数発を発砲するなど銃撃をためらう様子は窺えませんでした。
また早くから自殺をほのめかしていましたので、自発的に投降しない限り、無傷で身柄を拘束することは望めない状況でした。であるならば、容疑者を死なせないためにも狙撃して無力化するのが一番の方策だったと思われます。銃器対策部隊やMAATは制圧用の銃器は装備していますが、狙撃銃は装備していません。これは任務が容疑者の逮捕になっているためで仕方がありません。
狙撃任務を担うのは、全国九つの都道府県警察に設置されたSAT(特殊部隊)です。SATはテロリストなど凶悪事件での制圧を目的とした部隊で、日頃からそのための訓練を行っています。容疑者は度々室外に姿を現していましたので、最小限のダメージで狙撃できる機会は数多くあったのではないかと思います。
無傷での逮捕にこだわるあまり、容疑者に自殺されたのでは本末転倒です。和歌山県警の甘い判断で容疑者の確保に失敗し、容疑者を死亡させた失態のそしりは免れません。
高速で事故処理中のパトカー(同乗者撮影)、この事件とは関係ありません。
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