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2016年10月 1日 (土)

地震と電波

京都大学情報研究科の梅野健教授のグループが大地震の際に電離圏の電子の数が異常に増加する現象を発見したと発表しました。梅野教授によれば、2011年の東日本大地震(M9.0)の直前に上空60Kmで電子が異常に増加する現象を確認、その後本震の前後に発生したマグニチュード7クラスの地震でも同様の現象が起きていたことが確認されたと言うことです。

このニュースを聞いた時、あれ以前にも似たような話があったのではと思い出しました。改めて調べてみると、八ヶ岳南麓天文台の串田台長がFM電波を使った「串田法」と呼ばれる方法で地震の前兆現象を長期にわたって観測していると言うものです。

串田台長は流星雨の観測にFM電波を利用し、流星の出現時に遠くの地域のFM放送が聞こえることで流星を観測していました。するとペンレコーダーの記録に見たこともない波形が現れ、その後大きな地震が発生したことからFM電波による地震の観測を1995年から続けていると言うものです。

電波は電離層によって反射することにより、地表と電離層の間を何回かバウンドして遠方まで届きます。流星による電離層の変化は極めて短時間ですが、地震の影響による電離層の変化は何日も前から発生するのだそうです。観測の精度を高めれば、地震の予知に極めて有効ではないかと思いますが、梅野氏が在野の研究者のためか、公的機関からの援助はないようです。

電離層がなぜ地震の前に変化するのかについては、これまで地震学者は真剣に取り組んできませんでしたが、電気通信大学の早川正士教授が、GPS電波の観測から東日本大地震の前に電離層の境界面(高度80Km)が一時的に低くなっていたことを発見しています。観測によれば本震の発生5~6日前に夜間の観測データーの平均振幅が極端に短くなることが確認されえいます。

この発見は、梅野氏の遠くのFM電波がなぜ受信できるのかを科学的に証明するものです。地震の影響によって電離層の高度が下がり、電波の反射条件が変わることで、普段は電離層を突き抜けてしまう電波を反射し、受信が可能となる訳です。

現在は3者がそれぞれ独自の立場で研究を行っていますが、それぞれの手法を一元的に扱えば、もっと効率良く観測精度を高められるのではないかと思いますので早く国が主導して本格的な観測体制を整備することが望まれます。地震学者は、現在の技術では地震の予知は不可能としていますが、これだけ歴然とした前兆現象がある以上、不作為で放置することは許されないと考えます。

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