祝!ノーベル医学生理学賞に大隅東工大栄誉教授
本年度のノーベル医学生理学賞が大隅東京工業大学栄誉教授に授与されることが発表されました。詳細を知りたいと思い、帰宅してNHKの7時のニュースを見ましたが、トップニュースは台風18号の沖縄地方接近のニュースで拍子抜けでした。確かに沖縄地方には特別警報が発令されましたので、緊急度の観点からは妥当な判断だったと思いますが、受賞に水を差す結果となってしまった感は否めません。
今年の受賞者候補にも挙げられており、各方面から順当な受賞と評価されています。受賞理由となったオートファジーについては、今後がんやパーキンソン病への治療薬の開発などが期待されており、今後益々業績についての評価が高まることが予想されます。
正直なところ、私は大隅氏については全くの無知でしたが、彼の研究者としての足跡を見ると、短期的な成果を追い求めるのではなく、あくまでも基礎的な疑問を愚直に解明し続ける姿勢には感心するばかりです。後進の研究者に対しても、必ずしも成功が約束されるものではないが、自身が感じた疑問に対しどのように解明するかが重要だと述べ、研究一筋に歩んで来た強い信念と真摯な姿勢が感じられました。
昨今、短期的に産業化でき、企業の収益に直結するような成果を期待し、地道な基礎的な分野の研究予算を縮小する傾向が進んでいます。昨年の同賞受賞者の大村北里大学特別栄誉教授の研究もそうでしたが、長年の地道な研究があってこその成果であって、投資効果を追求するのであれば、そもそも研究自体が認められなかったかも知れません。大隅氏の研究成果の医療野への応用も、その後多くの研究者が着目する中で注目されるようになった訳で、最初から医療分野への応用を狙っていたのではありません。
知的好奇心の探求、簡単なようですが一生をかけて実践できるのは本当にすごいことです。
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