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2016年10月11日 (火)

イエメン沖で米駆逐艦にミサイル攻撃

北朝鮮による弾道ミサイル発射実験や核実験が懸念される中、10日に中東イエメン沖を航行中の米国の駆逐艦メイソンに対艦ミサイル2発が発射される攻撃がありましたが、ミサイルは手前の海上に落下し、船体や乗員に被害はありませんでした。イエメン沖では先月30日にもUAEがチャーターしている高速輸送船スウィフトに対して対艦ミサイルが攻撃がありました。ミサイルに被弾したスウィフトは船体がアルミ製だったこともあって大破炎上し、乗員22名が死亡しましたが、沈没だけは免れました。

攻撃したのは、イエメンで反政府活動を行なっているフーシ派と連携するサーレハ前大統領の勢力と見られ、中国製のC-802対艦ミサイルを使用したものと見られています。スウィフトは基準排水量940トンと小型の輸送船のため、自艦を防御する装備を搭載していないため、ミサイルの直撃を受けましたが、駆逐艦メイソンは自艦防御のためのECM(電子欺瞞装置)を作動させて、ミサイルを手前の海面に誘導させて無効化させたものと思われます。

C-802はフランスのエグゾセ対艦ミサイルを模倣した輸出専用のミサイルで、サウジアラビアと敵対しているイラン経由で入手されたものと見られます。C-802は目標に近づくと自身のレーダーで相手を補足して突入しますが、ECMはニセの電波を発信して自分の位置を欺瞞し、相手のミサイルを撹乱します。今回は2回ともECMが有効に機能したものですが、C-802の対ECM能力(ECCM)が低いことが明らかになった形です。

C-802は本家の中国ではYJ-83の名称で主力対艦ミサイルとして配備されています。本家版のYJ-83の能力については今のところ実戦での使用実績がありませんので、今回の結果を見て、直ちに低性能だと判断することはできません。

もしかしたら米国は密かに海底からの回収を試みているかも知れません。

Photo

陸上から沖合の艦船を攻撃するための陸自の12式地対艦誘導弾です。 防衛省の資料より

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コメント

12日にイージス駆逐艦「メイソン」に対して再びミサイル攻撃がなされたようですが、ミサイルは「メイソン」に届かなかったとされています。
「メイソン」のECMが完璧にC-802の索敵能力を上回っているようです。

投稿: 雨辰 | 2016年10月13日 (木) 08時54分

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