オスプレイは不時着か墜落か
オスプレイの不時着に関し、沖縄県と在沖縄マスコミは墜落と決めつけています。防衛省はパイロットが意思を持って操縦して行うのが不時着で、意思を反映できずに着地・着水するのが墜落としていますが、明確な定義はないとしています。沖縄県は機体が大破しているから不時着ではなく墜落だと言う論法のようです。では辞書ではどうなっているかと言えば「墜落 → 高いところから落ちること」となっています。つまり重力のまま落下するのが墜落と言うことですが、これが一番シンプルで判りやすいような気がします。
例によって略図を作ってみました。ピンク色のゾーンが米軍の訓練空・海域で、青い✖印が給油訓練の推定位置、赤い✖点が不時着地点です。不時着地点の西側がキャンプシュワブが広がっている区域です。これを見れば普天間に向かうと途中石油の備蓄タンクがあり、リスクが大きいことが判ります。トラブル発生地点から不時着地点に向かうのが一番リスクが少なく、また米軍の管理海域内であったことが判ります。
オスプレイは火災を起こす可能性のある陸上を避け、米軍の訓練海域内の浅瀬に「不時着」させたと見るのが自然です。これがパイロットの判断なのか、地上からの指示だったのかは判りませんが、冷静な判断だった思われます。オスプレイは通常飛行時はローターを前方に向けて飛行しますが、着陸時にはこれをヘリコプターのように上に向けて着陸します。しかし、事故で片方のローターが損傷した場合、水平飛行は可能ですが、着陸することは困難です。したがって、最終的に水平姿勢のまま不時着せざるを得なかったと思われます。
不時着後に機体が損傷するのは良くあることで、大破したことをもって墜落したとするのは無理があります。1959年に起きた「雲仙号」不時着事故ではエンジントラブルで飛行場近くの畑に不時着したところ、左側の主翼が電柱に衝突し、大破して炎上しました。仮に本当に墜落したのであれば、現場が浅瀬で岩礁があったことからもっとひどい被害となったと思われます。
現段階では事故の細部が伝わっていませんので、感情的な思い込みによって関係者をなじることは建設的ではありません。
| 固定リンク
コメント