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2016年12月16日 (金)

オスプレイの不時着について

事故についての続報はあまり出て来ませんが、政治家たちの思い込みによる決めつけ発言が渦巻いています。翁長知事は例によって「欠陥機」発言と「配備撤回」を要求していますが、オスプレイに致命的な欠陥は見つかっていませんし、旧式になった輸送ヘリを代替した機体なので、今更旧型機に戻すことこそ危険です。

今回の不時着は空中給油訓練の際に発生したものですが、軍用機が空中給油するのはヘリコプターを含めて世界中の軍隊で行なわれており、沖縄の米軍だけが特別に行なっている運用方法でないことをまず理解する必要があります。

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オスプレイの空中給油のイメージ図です。給油機から伸びたホースの先端のドローグをオスプレイ先端のプローブでキャッチして給油を行ないます。今回は位置取りのミスでホースがローター(プロペラ)に接触して破損したものです。

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こちらはヘリコプターへの空中給油のイメージ図です。ヘリコプターはローターが機体よりも前方に張り出しているので、オスプレイよりもはるかに給油時の接近がデリケートです。もしこの状態で機体が降下してしまえば即ローターがホースに接触してしまいます。

しかし、この一見困難なヘリコプターへの空中給油は通常一般的に行われています。これに比べればオスプレイへの給油について特段の危険性があるとの指摘は的外れです。

昨日の記事にも書きましたが、残念ながら航空機には一定の割合で事故が発生しています。思い込みの強い政治家たちはオスプレイは危険だと決めつけていますが、実は市街地上空を日常的に飛行しているヘリコプターも随分墜落事故を起こしています。

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ここ10年ほどの死亡事故を起こしたヘリコプターの墜落事故を国交省の資料から抜き出したもので、死者の出なかった墜落事故は除外しています。ピンクに色付けしたのが市街地での事故です。注目すべきは12件中4件が市街地上空で発生しています。幸い地上での二次被害は発生していませんが、これだけの死亡墜落事故が発生していることを認識した上で、航空機の安全運航について論議すべきだと考えます。

また防災ヘリや自衛隊ヘリは災害時には悪条件でも飛行しますが、これも日常的に厳しい訓練を積み重ねているからこそで、事故そのものを肯定する訳ではありませんが、オスプレイの事故もこうした訓練の中で起きたものであることを認識しなければなりません。

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