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2016年12月 7日 (水)

我が国の空母保有について

空母とは航空母艦の略で、飛行甲板を備え航空機運用能力を持った艦船のことです。第二次大戦前、航空機による艦船への攻撃の有効性を認識した各国はやがて来るであろう次の大戦に備えて空母の建造を行ないました。但し、艦載する航空機も合わせて開発しなければならなかったことから、第二次大戦で空母を運用したのは日本・米国・英国・仏国の4か国だけでした。特に日本海軍の真珠湾攻撃が大きな成果を収めたため、各国は空母の有用性について認識を新たにし、空母保有は非保有国の悲願ともなりました。

我が国は第二次大戦で焦土と化し、陸・海軍は武装解除されて解体されました。戦後しばらくは占領下におかれ、米国の意向もあって非武装の状態が続きましたが、朝鮮戦争の勃発により準軍事組織の警察予備隊が組織され、いくつかの改変を経て自衛隊の創設となりました。

海上自衛隊は創成期から空母の保有を目指していました。当時は東西冷戦の最中で、旧ソ連の潜水艦を探知する哨戒ヘリの母艦としてヘリ空母を運用する構想を考えましたが、当時の政治状況ではそれも適わず、護衛艦の後部甲板にヘリを搭載するヘリコプター搭載型護衛艦となりました。

その後、長い年月を経て全通甲板を持ったおおすみ型輸送艦、ヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが型を経て、より大型のいずも型ヘリコプター搭載護衛艦を保有するに至りました。この間、空母保有については「攻撃型空母の保有は憲法上許されない」との政府による国会答弁があり、専守防衛の我が国では、陸上基地からの航空機運用で事足りるので空母は不要とされて来ました。

ところが軍事技術が進歩し、米国・英国・仏国が独占していた空母保有国にロシアや中国が加わるようになりました。また、ミサイル技術の発達により、自国領土・領空から我が国の空自基地を攻撃できるようになりました。これによって、いかに最新鋭の戦闘機を備えていても地上にいる間に攻撃されれば、基地そのものが無力化されてしまうこととなりました。

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航空自衛隊の戦闘機が配備されている7つの基地ですが、千歳、那覇の両基地は周辺国に近い位置にあるのが判ります。

そこで思い起こされるのが空母です。空母は海上を自由に航行できますので、陸上の基地と違ってGPSを使ったミサイル攻撃の心配がありません。例え、ある地域の空自基地が使用不能となっても、それをカバーして航空機を運用することができます。

ここで問題になるのが「攻撃型空母は保有できない」との政府見解です。見解では「攻撃型空母」としていますので、攻撃型でなければ良いとの解釈も成り立ちますが、そもそも空母でなければ問題はないとの理屈が思い浮かびます。政府は離島防衛の構想の中で、米国に倣って強襲揚陸艦の保有を検討しています。米国の強襲揚陸艦は最大で20機の航空機を搭載可能ですが、戦闘機20機は空自の1飛行隊に匹敵する規模です。つまり、強襲揚陸艦に艦載すれば実質空母と同様の航空機の運用が可能になると言う訳です。

強襲揚陸艦と言うと他国に侵攻するイメージがありますが、航空機運用能力を持つ揚陸艦を指す言葉で、必ずしも他国に侵攻する装備と言うことではありません。これまで米国海兵隊は強襲揚陸艦に垂直離着陸機のハリアー攻撃機を搭載していましたが、ハリアーは設計が古く、現在の戦闘機相手では荷が重くなっています。そこで、今後は最新型のF-35Bに更新することになっています。

自衛隊には様々な制約がありますが、我が国の安全保障を考えた時、戦闘機搭載能力を備えた揚陸艦の保有も選択肢の一つと考えます。果たして実現する日は来るのでしょうか。

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ヘリコプター運用のため、空母のような姿をしている護衛艦「ひゅうが」です。

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