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2016年12月25日 (日)

中国の空母「遼寧」が太平洋に

中国国防省は24日、黄海で軍事演習を行なっていた空母「遼寧」が、艦隊を伴って西太平洋で遠洋航海訓練を行なうと発表しました。これまで遼寧は主に黄海で艦載機の離発着を行なうなど、習熟のための訓練を行なって来ましたが、陸地を遠く離れての航海は初めてとなります。

防衛省の発表によれば、24日午後4時頃、東シナ海中部を東に向かって航行する「遼寧」、ミサイル駆逐艦、補給艦など合わせて8隻の中国艦隊を海上自衛隊の護衛艦「とね」が確認したということです。

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中国海軍の空母「遼寧」 (出典:防衛省)

これまで中国沿岸で訓練を積んでいたこともあり、防衛省が「遼寧」を確認したのはこれが初めてと言うことです。遼寧はロシアのSu-33を無断コピーしたJ-15戦闘機を24機程度搭載可能と見られていますが、今回の航海に何機搭載しているかは明らかではありません。遼寧は航空機の発進に使うカタパルトを装備していないため、艦載のJ-15は十分な燃料やミサイルを搭載できず、戦闘行動半径はそれほど大きくないと推測されています。戦闘行動半径とは、軍用機が拠点から発進し、作戦を遂行して帰って来られる距離で、一般的には航続距離の1/3と言われています。

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青の矢印が宮古海峡を通過する予想コースで、緑で囲ったラインが我が国の防空識別圏です。海峡を抜けた付近からのJ-15の戦闘行動半径を表したのが赤の点線の円です。F-35Bの860Kmで作成していますが、実際はこれよりもかなり短いと思われます。青の円は那覇基地のF-15J戦闘機の戦闘行動半径1900Kmです。F-15Jは外部タンクを搭載することにより長い航続距離を確保しており、J-15の行動を完全に封じ込める能力を持っています。

一方ピンクの円は築城基地のF-2戦闘機の戦闘行動半径850Kmです。F-2は重い対艦ミサイル4発を搭載できますが、その分行動半径が小さくなっています。しかし、ミサイルの搭載数を減らしたり、空中給油を行なうことで飛行距離の延伸が可能です。

中国側の狙いは遼寧の遠洋航行能力の習熟ですが、我が国の防衛能力の確認もあると考えられますので、どこかでJ-15を発進させてスクランブルのリアクションタイムを確認するのではないかと思われます。中国が空母を保有したことを、不安に思う人がいるかも知れませんが、現状では何か事を起こせばすぐ自衛隊が対応しますので、当面は傍若無人なふるまいをすることはないだろうと考えます。

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