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2017年1月19日 (木)

ミニイプシロンロケットへの提言

今月24日にはH-IIAロケット32号機で、Xバンド防衛通信衛星「きらめき2号」が打ち上げ予定です。かつてはロケットの打ち上げと言うと、漁業関係者との調整で春季と秋季の2回、年に2~3回の打ち上げしかできませんでした。ところが、今年は月平均で1機以上が打ち上げられることになっており、以前と比べると正に隔世の感があります。

ところで、先日のSS-520打ち上げ失敗の際に、ミニイプシロンロケットの開発をすべきとの提言をしましたので、今回はもう少し具体的な話をしたいと思います。

現在我が国はH-IIAロケットとイプシロンロケットの二つのロケットを運用しています。大まかに言えば、大型の衛星はH-IIAロケット、それ以下の衛星はイプシロンロケットと言った使い分けです。ところが技術の進歩の結果、100Kg以下でも実用的な観測衛星が運用できる時代となりました。となれば、小型の衛星を高額な大きなロケットで打ち上げるのは無駄なこととなります。今回の打ち上げ実験のように、数Kgの衛星でも実用的な運用が可能であるならば、それに合わせたロケットを運用すべきです。

私が考えているのはわが国最初の人工衛星を打ち上げたラムダロケットと本格的な実用衛星を打ち上げたミューロケットです。

Photo

SS-520ではわずか3Kgの超小型衛星しか打ち上げできませんが、L-4Sを原型としたロケットであれば、10kg程度の衛星の打ち上げが可能です。またM-3Sでは重さ300kgの衛星の打ち上げが可能ですが、この分野はイプシロンに任せれば良いので、打ち上げ能力を100kg程度としてコストの低減を図ります。

100Kg以下の衛星と聞くと、何やら頼りなさそうな気がするかも知れませんが、2011年には重量65Kgの深宇宙探査機「PROCYON」(プロキオン)が打ち上げられています。この衛星はH-IIAロケットで他の衛星と相乗りでしたが、専用のロケットがあればもっと柔軟に打ち上げることが可能です。

目標コストは私が勝手に決めたものですが、諸外国とのコスト競争に勝つためにはこれ位の金額が必要になると考えています。従来は打ち上げが決まってからロケットの製造に取り掛かっていましたが、あらかじめ5機なり10機を作っておくことで、大幅なコストダウンが可能となります。また、打ち上げに際してはイプシロンロケットの管理手法を採用して、打ち上げコストの削減を図れば良いと考えています。

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