本年度の防衛予算が過去最大に
今日の中日新聞が今年度の第三次補正予算に防衛費1800億円が計上された結果、当初予算合計で約5兆2000億円と過去最大の金額になったと報じました。これを平成27年度の当初予算4兆9801億円と比較すると4.4%の伸びとなります。これだけを見ると伸び率が大きいようにも見えますが、最近10年間の防衛費の伸びの推移を見てみますとどうでしょうか。
実は近年財政健全化のあおりを受けて平成24年度までは前年比マイナスを続けて来ました。では周辺国の国防費はどうなっているかと見たのが下表です。
2003年と2014年との比較で伸び率を見たものですが、我が国の防衛費の伸びが各国中最も低いことが判ります。
それに対し、我が国に対して軍拡を進めていると非難している中国は、この間で実に3.89倍と軍拡路線を邁進していることが判ります。中国は国防費を毎年10%以上増額しており2014年は前年比12%増となっています。実はロシアの方が伸びは大きいのですが、これは経済の停滞で軍備の更新がままならなかった分をエネルギーの輸出によって得た予算で挽回したことによるものです。
最近は防衛装備の高度化による価格の増大や、弾道ミサイル防衛などの予算が増えており、4.4%ではとても各国の軍備拡張に追いつかない実態が見えて来ます。我が国は防衛費をGNPの1%程度としていますが、各国はどこも数%と何倍もの比率になっています。過去最大金額の予算と報じることは間違いではありませんが、周辺各国との比較もしてみないと物事の本質を見誤るのではないでしょうか。
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