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2017年1月20日 (金)

川崎重工が民間輸送機の販売を断念

川崎重工は、航空自衛隊向けに開発した双発ジェット輸送機C-2の民間機版であるYCX「超大型貨物用高速民間輸送機」の販売を目指していましたが、需要予測が厳しいことや型式証明取得の費用がかさむ見込みであることを理由に、販売を断念したと19日付の日経ビジネスオンラインが伝えました。

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C-2輸送機はトラックや装甲車両など大型の機材を搭載して長距離を高速で飛行できる世界トップクラスの機体です。貨物室は幅4m、高さ4m、奥行き16mとほぼ直方体の形をしており、陸上自衛隊が保有する戦車以外のほとんどの車両を積載することができ、国際緊急援助活動やPKO任務など海外への部隊派遣などの際に能力が期待されています。

この高い積載能力を生かして、従来大型機が使用されている航空機用エンジンの輸送用などに活用しようと民間機版の販売が期待されていました。しかし、大型貨物用輸送機の需要が向こう30年で90機ほどしか見込めず、またMRJが型式証明を得るために多額の費用を投入していることなどから採算を困難視し、販売を断念したものと思われます。

現在のところ当の川崎重工からのコメントはないようですが、国産の機体を輸出する計画が潰えたことは大変残念です。現在軍用機としてC-2をニュージーランドに提案していますが、こちらの方は何とか成功して欲しいものです。

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