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2017年2月20日 (月)

韓国の困惑

弾道ミサイルを防ぐ手段として、自国に向かって来るミサイルを迎撃ミサイルで迎撃する方法があります。開発された経緯から終末誘導段階で迎撃するPAC-3、大気圏外を飛行するミッドコースで迎撃するSM-3、そしてその中間段階で迎撃するTHAADと三つの方法があり、更に米国専用ですが、ICBMを迎撃するBMDミサイルがあります。

弾道ミサイル開発に邁進する北朝鮮と国境を接する韓国にとってミサイル防衛は喫緊の課題ですが、これまではもう一つの隣国である中国に気兼ねしてPAC-3のみの導入にとどめていました。

Pac3

PAC-3の模型と発射機

ところが昨年になり、北朝鮮が毎月のように発射実験を繰り返したことから新たにTHAADミサイルを導入することで米国と合意に達しました。これに対して隣国の中国が猛烈な反対を表明しました。THAADで使用するXバンドレーダーの探知距離が1000Kmあると言われていますが、韓国に設置した場合、中国国内まで探知可能になることから、それを嫌ったものと思われます。

Thaad
韓国の設置予定地からおよそ1000Kmをイメージしてみました。日本の西半分がすっぽり入ってしまいますし、中国東北部から北京、上海方面が円の中に納まります。しかしTHAADは迎撃ミサイルであって他国を攻撃するためのものではありません。

ところが中国は韓国がTHAADの導入に合意して以来、歌手の入国を禁止したり、韓国製のドラマの放送を中止したりと圧力を強めていましたが、中国国営の新華社通信は19日の論評で、韓国ロッテグループが在韓米軍のTHAAD)」配備のために敷地を提供した場合、「中国の顧客と市場を失うことになる」と報復を警告し、配備に協力しないよう強く要求しました。

これは明かな恫喝です。自国の意に沿わないからと言って、他国の民間企業を脅すなど許されることではありません。ただ、韓国にしてみれば中国は大きな市場であり、それを失うことは大きな損失です。民間企業にとって、自国の安全保障を引き合いに出されるのは本来あり得ない話です。しかも現在は朴大統領が職務停止中となっており、外交面でのお通しが望めない状況です。

しかし、もしここで譲歩してしまえば、韓国は強く迫れば要求を受け入れる国だとの実績を作ってしまうことになってしまいます。相手が嫌がることは自国の利益につながることと考え、自国の安全保障を優先するのが取るべき道だと思います。

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