中電が安倍川に水力発電所
2日、中部電力が静岡市を流れる安倍川に水力発電所を建設することが発表されました。計画によれば市内葵区入島に高さ8m、幅60mの取水用の堰を建設し、導水路トンネルで4.8Km下流の発電所に送って発電する方式で、ダムのように水を貯めないことから「流れ込み式」と呼ばれる発電方式で、出力は7100Kwとなります。着工は2019年度、完成は2022年度を予定しています。
安倍川は全長53.3kmの1級河川で、本流・支流にひとつもダムが無いとされていますので、高さ8mとは言え堰堤が作られるのは気になるので少し調べてみました。新聞記事には地名以外に具体的な場所の記載はありませんでしたが、中部電力の広報資料に地図の記載がありました。
国土地理院の電子地図「地理院地図」を使用し、加工したものです。クリックで拡大します。
堰堤の建設位置は支流の三郷川の合流点の500mほど下流に当たる場所です。安倍川の源流部は大変もろい火成岩からなる山岳地帯で、支流の一つである大谷川の源流では江戸時代に一夜にして山体がすり鉢状に崩壊し、「大谷崩れ」と呼ばれる大崩壊地になっています。このため、土砂の流出が激しく大谷川はもちろん、安倍川上流部にはこれまでも砂防のための堰堤が築かれています。
しかし取水のための堰となると、効率面から全く水を貯めない訳ではないとも思われますので、ダムではないと言い切れるのか、疑問が残るところではあります。
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