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2017年4月 1日 (土)

ファルコン9が再利用エンジンでの打ち上げに成功

宇宙船や人工衛星の打ち上げにはロケットを使いますが、多額の費用がかかります。我が国も独自技術によって衛星の打ち上げを行っていますが、他国と比較して打ち上げ費用が高いと言われ、打ち上げビジネスはまだ緒に就いたばかりです。

米国では打ち上げ費用を下げるためスペースシャトルを開発し、何回も使えるロケットを目指しましたが、宇宙船の断熱タイルの剥離問題が克服できず、予定を切り上げて運用を終了してしまいました。

しかし、2002年に設立されたスペースX社は、再利用できるロケットとして2段式のファルコン9ロケットを開発し、これまで13回の回収に成功していました。フルコン9は2段目を切り離すと1段目の姿勢を180°ターンさせ、9基あるエンジンを全て噴射して減速、大気圏に再突入させてエンジンを9基から3基、そして最後は1基のみを使って軟着陸させます。

Photo

ロケットの打ち上げから着陸までのプロセスです。

日本時間の3月31日、昨年4月に打ち上げ後回収された1段目を使用したファルコン9ロケットは打ち上げ後衛星を搭載した2段目を切り離し、2段目は順調に飛行して衛星の軌道投入に成功、1段目は再び回収されて再使用のロケットとして初めて再打ち上げに成功しました。現在は1段目のみの回収ですが、将来的には2段目の回収も目指すとのことです。

ロケット打ち上げコストの80%は機体のコストと言われていますので、再利用できれば打ち上げコストの大幅削減につながります。現在ファルコン9の打ち上げ費用は70億円以下と言われていますが、再利用が可能となれば理論上は20億円以下に引き下げることが可能となります。我が国はイプシロンロケットの打ち上げ費用を30億円以下にすることを目標としていますが、更なるコスト削減が必要になるかも知れません。

これまでは、より重いものをより遠くまでがロケットの性能の評価でしたが、今後はより安くの視点が重要になってきますので、より簡単な機構で安く作れることが優れたロケットの条件になって来るようです。

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